暁 〜小説投稿サイト〜
インフィニット・ストラトス〜黒衣の創造神〜
第2巻
対戦のあと×風呂
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「一つ忠告しておくぞ。アイツに会うことがあれば、心は強く持て。あれは未熟者のくせにどうしてか、妙に女を刺激するのだ。油断していると惚れてしまうぞ」

そんな風に言う教官はひどく嬉しそうで、それでいてどこかで照れくさそうで、なんだか見ているほうがモヤモヤとした。だから、今ならわかる。あれはそう、ちょっとしたヤキモチだったのだ。それでつい、あんなことを聞いてしまった。

「教官も惚れているのですか?」

「姉が弟に惚れるものか、馬鹿め」

ニヤリとした顔で言われて、私はますます落ち着かなくなる。教官にこんな顔をさせる、その男が羨ましい。そして出会ってわかった。戦って、理解した。強さとは何か、その答えは無数にあるだろう。と目を開けたら知らない天井だった、医療のにおいがするから保健室かと思った。

「う、ぁ・・・・」

「気が付いたか」

その声は聞き覚えあるどころか、私の敬愛する教官である織斑千冬だった。

「私・・・・は・・・・」

「全身に無理に負荷がかかったことで筋肉疲労と打撲がある。しばらくは動けないだろう。無理をするな」

千冬はそれとなくはぐらかしたつもりだったが、そこはさすがにかつての教え子。簡単に誘導されてはくれなかった。

「何が・・・・・起きたのですか・・・・・?」

無理をして上半身を起こそうにも起きれなかった、全身に痛みがあり顔を歪める。目だけは真っ直ぐに千冬を見つめていた。

「ふう・・・・。一応、重要案件である上に機密事項なのだがな」

しかし、そう言って引き下がる相手ではないので、千冬はここだけの話として語る。

「VTシステムは知ってるな?」

「はい・・・・。正式名称はヴァルキリー・トレース・システム・・・・。過去のモンド・グロッソの部門受賞者の動きをトレースするシステムで、確かあれは・・・・」

「そう、IS条約で現在どの国家・組織・企業においても研究・開発・使用すべてが禁止されている。それがお前のISに積まれていた」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「巧妙に隠されてはいたがな。操縦者の精神状態、機体の蓄積ダメージ、そして何より操縦者の意志・・・いや、願望か。それらが揃うと発動するようになっていたらしい。現在学園がドイツ軍に問い合わせているが、織斑によればすでに国連軍が強制捜査をしているそうだ」

千冬の言葉を聞きながら、ボーデヴィッヒはぎゅぅっとシーツを握りしめた。その視線はいつの間にかうつむいていたが、一つだけ聞きなれない言葉を聞いた。国連軍という言葉
を。なぜと思ったら千冬が口を開いた。

「なぜ、国連軍がということだが。既に知っていたようだ、つまり泳がせていたと聞く。そして映像を証拠にして、現在強制捜査をしてるということだ。それ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ