第2巻
初戦×VTシステム×ゼットン
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のですか?どうすれば強くなれますか?」
その時だ、あの人が鬼のような厳しさを持つ教官が、わずかに優しい笑みを浮かべた。私はその表情になぜだか心がちくりとしたのを覚えている。
「私には弟がいる」
「弟・・・ですか」
「あいつを見ていると、わかるときがある。強さとはどういうものなのか、その先に何があるのかをな」
「・・・・・よくわかりません」
「今はそれでいいさ。そうだな、いつか日本に来ることがあるなら会ってみるといい。・・・・ああ、だが一つだけ忠告しておくぞ。あいつに・・・・」
優しい笑み、どこか気恥しそうな表情、それは。
「(それは、違う。私が憧れるあなたではない。あなたは強く、凛々しく、堂々としているのがあなたなのに)」
だから、許さない。教官にそんな表情をさせる存在が。そんな風に教官を変えてしまう弟、それを認められない。認めるわけにはいかない。だから・・・・。
「(敗北させると決めたのだ。あれを、あの男を、私の力で、完膚無きまでに叩き伏せると!)」
ならば、こんなところで負けるわけにはいかない。あの男はいまだに無傷だ、それにくらべて私はボロボロだ。だが、まだ動くはずだ。そして動かなくなるまで、徹底的に破壊しなければならない。そのためには。
「(力が、欲しい)」
ドクン・・・・と、私の奥底で何かがうごめく。そして、そいつは言った。
『願うか・・・・?汝、自らの変革を望むか・・・・?より強い力を欲するか・・・・?』
言うまでもない。力があるのなら、それを得られるのなら、私など空っぽの私など、何から何までくれてやる!だから、力を・・・・比類無き最強を、唯一無二の絶対を・・・私
によこせ!
Damage Level・・・・D
Mind Condition・・・・Uplift
Certification・・・・Clear
《 Valkyrie Trace System 》・・・・・・boot
「あああああああああっ!!!!」
突然、ボーデヴィッヒに変化が起きたと思ったらISが変形した。情報通りか、これはVTシステム起動しやがったか。装甲はぐにゃぐにゃになり、ボーデヴィッヒの全身を包み込んでいく。まあおそらく俺以外の者は何が起こったのかわからないが、「なんだよ、あれは」とでも思ったな。変形というより、一度溶解したあと再度作り直した感じで、紙粘土のように形を作っていく。その姿は、第二回モンドグロッソで見た千冬の専用機であった暮桜だった。それに武器が雪片だったからだ。
「これは迂闊に攻撃できねえな、中にボーデヴィッヒがいるからな」
とそこへ警告が鳴った、やっとかよ。
『非常事態発令!トーナメントの全試合は中止!状況をレベルDと
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