暁 〜小説投稿サイト〜
とらっぷ&だんじょん!
第二部 vs.にんげん!
第26話 おとなげ!
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アルバート、隣のボスマンに、エレアノールは歩み寄った。
「こんにちは」
「おう。もしかしてこの間の件か?」
「はい。すぐにお礼を言いに来ず、ごめんなさい」
「よせよせ。ま、イヤな事は忘れようぜ、なっ」
 エレアノールは少しだけ笑みを見せた。
「温室の様子はどうですか?」
 と、サディーヤ。
「おう、よく育ってるぜ。奇跡じゃねえか。こんな真冬に野菜が育つなんてよ」
「これも、遺跡内の温度管理装置の応用です。開発してくださったのはクムランさんでして」と、サディーヤが解説する。「使いたいと仰る方がいれば、開放しております」
「まっ、今期は食料品が目ん玉飛び出るような値段だったって言うからよ。とても棺桶の人口を賄える収穫量じゃねえが、何かの足しになればよ」
 アルバートは大きな声で笑った。
「おう、そういえばよ、サディーヤさん」
 ボスマンが口を開く。
「こないだ頼まれた花を煉獄に取りに行った時によ、ネリヤを見かけたんだがよう」
 ネリヤ。
 聞いた名前だ。エレアノールは思い出す。ウェルドから聞いたのだ。一度目の凶戦士出現で弟を、二度目で恋人を亡くした先輩冒険者。
「こう、ぼーっとして、俺たちが声かけたって聞きゃしねえ。あの子大丈夫なのかい?」
「遺跡内のあちこちであの方をお見かけしたという噂はよく聞きます」
 サディーヤが眉を寄せた。
「……何も起きなければよいのですが」

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