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魔法少女リリカルなのは〜結界使いの転生者〜
聖杯大戦編
動き出す影
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家族に報告したのだ。

みんなが祝福してくれることを信じて疑っていなかった。

実際、美由紀は大喜びで祝福してくれた。

彼女らにとって夢のような存在である魔法や異世界。

そこで働くことができることや愛する家族の才能が認められた事、なによりこの末妹が進むべき指針を持つことができたのことに反対する理由など無かったのだ。

しかし・・・。

「駄目だ!!今すぐ管理局に就職するなんてとんでもない!!」
「俺も反対だ!!」

士郎と恭也はなのはに猛反対した。

「・・・・え?」

反対されるとも思ってみなかったなのはは信じられない表情でみんなを見る。

「どうして!?何が駄目なの!?」

美由紀も信じられない表情で聞いてきた。

「士郎さん?なのはさんの才能があれば多くの人が救われるのですよ?」

レティ提督も士郎を説得する。

「そうですね・・・ですが、せめてなのはが18歳になってからお願いします」
「魔法の教育は幼いころから始めるのが最も効率がいいのです。慢性的に人手不足な管理局に8年も無駄にする時間はありません」
「一人の英雄に全ての責任を押し付けるのが管理局のやり方ですか?大局的に考えるなら始めから才能のある人材を使い潰すのではなく、組織だった効率のいい部隊運用とそのマニュアル化の教育を徹底するべきでしょう」
「・・・レジアス少将のようなことをおっしゃるのですね?・・・貴方は自分の娘さんの素晴らしい才能をみすみす潰すおつもりですか?」
「戦いにしか役に立たん才能など虚しいだけだ・・・・・・・いや、そんな才能を持って生まれてきたのも、また私の娘ゆえか・・・」
「いい加減にしてよ!!」

レティと士郎の水掛け論に美由紀が口を挟む。

「どうしてなのはが自分で決めたことを素直に祝福してあげられないの!?」
「親だからだ・・・」
「え?」
「親だからこそ、娘に自分と同じ道を歩んでほしくないだけだ・・・」
「何言ってるのかわけ分かんないよ・・・・ただ娘の才能に嫉妬してるだけじゃないの!?」
「美由紀!!」
「恭ちゃん!!」
「俺にも父さんに言いたいことは良く分かる。俺もなのはにそんな道を歩んでほしくない」
「もういいもん!!」
「「「なのは!?」」」

今まで黙って聞いていたなのはが泣きながら立ち上がる。

「私は管理局に入る!?お父さんもお兄ちゃんも大嫌い!!」
「「なのは!?」」


その日は結局そのまま話は打ちきりとなり、なのはは管理局の嘱託魔導師となることで話は落ち着いたのである。

あれから一か月たった今も、士郎と恭也は反対の態度を崩すことはなく、なのはや美由紀と大喧嘩したばかりである。

これが最近の高町家の日常であった。




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