A's編
希望の光
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守宮剛のもっとも特筆すべき能力とは何だと思う?
血壊を駆使した圧倒的な破壊力?
気配をほとんど悟られない瞬動による機動力?
卓越した戦闘技術?
天眼による解析能力?
・・・確かに魔力資質こそ持たないが、どれも一流と言っても過言でない能力ではある
しかし、彼をもっとも強者足らしめているのはそれではない。
敵対した者たちは皆、彼のずば抜けて高い一つの能力をもっとも恐れる。
・・・それは鍛え上げられた肉体と練度の高い気功術による圧倒的な『防御力』である。
彼はかつて高校生の時に死にかけたことがある。
妹の禊を祭り上げようとする一派に対物ライフルで狙撃されたのだ。
本来なら避けられた攻撃だが、後ろに禊がいたため避けるに避けられずに直撃を受けてしまったのである。
しかし、当時高校生であった彼の防御力でも対人兵器では傷一つ付けられず、銃弾を見て躱せる反射神経があったためにそのような手段に及んだのである。
今の彼なら、対人兵器では外気功により全くの無傷で対処できるし、血壊使用時なら砲撃でさえ弾くことができる。
その上、かつて『魔導師殺し』と謳われた衛宮切嗣の『起源弾』や『呪殺』と言った物理的手段では防ぎようのない攻撃も彼は天眼で見切ることで避けてしまう。
魔法のない通常兵器では傷つかず、魔法を使った兵器は天眼で見切られる。
その理不尽ともいえる耐久生存能力から裏では『ターミ○ーター』の異名を誇っているのだ。
しかし・・・・・。
「がああああああ!!」
闇の書の管制ユニットが放った攻撃はその防御を容易く破り、剛の左腕を大きく抉り取った。
「「剛(さん)!!」」
肩を抑える剛。
「ぐがあ!!」
しかし、奥歯が砕けそうになるほどに噛みしめ、そのまま蹴りを放つ。
「何と言う胆力・・・」
しかし、彼女はその攻撃が届く前に空中に離脱する。
悲しいかな、痛みにより技の切れが鈍ってなければ当たっていた攻撃であったが彼女には届かなかったようである。
「はあ、はあ・・・・」
剛は上着を引き千切り、肩に巻き付けて止血を始めた。
(・・・まずいな・・・)
腕の消失による失血やバランス感覚の乱れだけでなく、大きな問題がある。
実質的にこれで血壊を封じられたも同然なのだ。
血壊は莫大な運動能力の強化ができるが、心音が周囲に聞こえるほどに血流が上昇すると言う性質上、怪我を負えば当然出血量が飛躍的に増えてしまう。
寒さで出血を抑えられたために大怪我を負ってもしばらく生きながらえることができるなら、逆もまた然りである。
恐らく一度でも血壊を使用
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