A's編
終わりの始まり
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にしていたんですよ!!せめて一度でもはやてちゃんに会ってあげたら、それだけで彼女は救われたはずなのに!!」
「すずか・・・」
怒りと悲しみで肩を震わせながらすずかはグレアムに詰め寄った。
「・・・封印の方法は主ごと凍結させて次元の狭間か氷結世界に閉じ込める。・・・そんなとこですかね?」
「そう。それならば闇の書の転生機能は働かない」
「「「!?」」」
闇の書が完成して暴走を始める前に主ごと凍結して封印してしまえば、もっとも厄介な機能である転生機能を封じることができる。
しかし、それは言うなれば、封印されたはやて本人は『死ぬ』ことも許されずに永遠に冷たい牢獄に閉じ込められることを意味する。
これほどまでに酷いことがあるだろうか?
「これまでの主だってアルカンシェルで蒸発させてんだ!!」
「今からでも遅くない、あたし達を解放して!!凍結ができるのは暴走が始まる数分だけなんだ!!」
「「ふざけないで/んじゃなわよ!!」」
「暴走を始める前なら彼女は特に犯罪を犯しているわけじゃない。違法だ!!それに零課に対しても外交問題になる可能性もある」
人情論ではなくあくまでも執務官としての立場でグレアムを否定するクロノ。
「そんな決まりやしがらみのせいで悲劇が繰り返されてんだ!!クライド君だって・・あんたの父さんだってそれで・・・」
「ロッテ!!」
「「「!?」」
その一言に目を見開きながらクロノを見つめるアリサとすずか。
しかしその視線を気にしないかのように背を向けて扉に向かうクロノ。
「提督。確かにあなたの方法は最善ではないがもっとも確実に・・・しかも今後の再発も防ぎうる有効な次善解であることは明白です。人としてはともかく警察としては間違っていない」
「クロノ(君)!?」
「でも!!それを認めてしまえば!!僕は僕でいられなくなる!!二度と執務官を名乗れなくなる!!ただの血と糞尿が詰まった肉の袋になってしまう!!執務官は僕の憧れであり誇りであり誓いでもある!!だから、それだけはまっぴらごめんだ!!」
そう言って、歩き出すクロノ。
「待ちなさい」
クロノの背に声を掛けるグレアム。
「アリア・・・デュランダルをここに」
「「お父様!!」」
「もう我々には何もできん・・・ならば彼に託すべきだろう・・・」
クロノにデュランダルを託すグレアム。
「氷結の杖『デュランダル』。今回の我々の作戦の要として用意した広域凍結封印魔法の術式とそれを一度だけ使用できるだけの魔力を内蔵してある特別性のデバイスだ。君に託す。その使い方は君に任せるよ」
「分かりました」
「どうして今になって?」
龍一はグレアムに尋ねた。
「賭けてみたくなったのさ」
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