A's編
不穏な影
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るし、法衣の下から大量に召喚することも可能なのである。
「でああああああああああああああああああああ!!」
その攻撃を掻い潜り、黒田に殴り掛かるザフィーラ。
「・・・・ふっ!!」
しかし、法衣の下から取り出した槍に防がれた。
「・・・・・・解せぬな・・・」
「何?」
「貴様の眼には邪気がない。ならば、何故このようなことを?」
「知れたこと・・・我が主と仲間たちのためだ」
「・・・そうか・・・・・」
ザフィーラが二の拳、三の拳を振りかぶり、黒田がそれを槍で捌いていく。
シグナムの前に現れた剛は瞬動でシグナムの背後を取り延髄に攻撃を加えようとしたが、シグナムが反射と同時に背後にレヴァンティンを振り抜き、剛はそれを外気功で防ぎながら後退する。
(何と言う男だ・・・接近戦では恐らく紙一重で私を上回っているだろう。彼に魔力がないのが不幸中の幸いだろう)
二、三度互いに剣と拳を交え合い、剛の近接戦闘をそう評価するシグナム。
それもそうであろう。
剛はかつて黒狼連隊に所属していたが、そもそも黒狼連隊は『警察に必要ない人材だが一般人として市井に放置しておくには危険な力を持つ者』の吹き溜まりであり、裏を返せば、大して力のない存在は警察をグビになるだけで黒狼連隊には入れられることはないのである。
そして、黒狼連隊に入れられるような人材は剛の様な戦士タイプよりも土御門の様な術師タイプの方が圧倒的に多い(術師タイプの方が火力が圧倒的に高いためである)。
そこに『体術だけ』で所属していた剛は当代随一とまではいかなくても、日本ではトップクラスの体術の使い手であり、実際、接近戦に持ち込まれれば剛は黒狼連隊最強の実力を持っているのである。
「・・・・・惜しいな」
「何がだい?」
「もしも、貴方に人並みの魔力があれば、誰からも尊敬される立派な騎士になれたものを・・・」
「ふむ。・・・・悪いが興味ないな」
「なに?」
「私はあくまで警察官であって騎士ではない。戦うことはあくまで治安を維持するための手段であって、それを目的とする騎士とは根本的に求めるものが違うのだよ。むしろ、治安の維持に武力を選択する時点で警察としては落第としか言いようがない。君の言葉は私にとってはむしろ褒め言葉にはならんな」
「・・・面白いことを考える男だな」
今まで出会ったことのない独自の価値観を持つ青年に興味を持つシグナム。
「名は何という?」
「零課所属の刑事、守宮剛」
「ヴォルゲンリッター、烈火の将シグナム。推して参る」
レヴァンティンを鞘にしまい、カートリッジがロードされる。
『シュランゲンフォルム』
「飛龍一閃!!」
剣を抜き放つと、蛇腹剣となったレヴァンティン
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