暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜結界使いの転生者〜
A's編
不穏な影
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土御門に怒鳴り声が鳴り響いた。

『何だよじゃない!!何で味方ごと焼き払うのさ!?』
「なんで僕たち土御門が異界の魔導師や機動隊の三下風情に譲歩しなければならない?それにどうせ君の姑息な結界で彼らを守っているんだろう?」
『姑息言うなーーーー!!』

気の抜けるやり取りであるが彼らが行っていたことは非常に高度なことである。

結界に突入したと同時に最大限に魔力を練り上げ、あたり一面を焼き払った土御門も相当なものだが、禊は血塊の主導権を乗っ取ると同時に中の人間の位置を把握し、味方全員のバリアジャケットのシステムに独自の術式を混入させて彼らのバリアジャケットの防御力を最大限まで高めて土御門の炎を防いだのだ。

実際炎が収まったところには無傷の味方が点在していた。

しかし・・・・。

「しまった。見失ったか・・・」
『何やってるんだよ!?』

炎が大きすぎたせいか今の爆炎でヴォルゲンリッターの姿も見失ってしまった。

「やれやれ、探査なんて三下の下術なんだがなあ・・・」

土御門の数々の上から目線の発言は別に彼だけの特別なことではなく、陰陽堂の魔導師全員に共通する認識である。

戦闘能力を何よりも重んじ、日本古来からの伝統的な陰陽術の大家である土御門家では、こと戦闘となるとあからさまに一族以外の魔導師、主に補助魔法を得意とする者や陰陽術以外の魔法を使う者を見下す傾向があるのだ。

守宮と仲が悪いのはここにも原因があり、保守的な体質であり、古き伝統の陰陽術を守り続けてきた土御門は、革新派で洋の東西を問わず、より効率のいい術式を取り組んできた守宮を『誇りを持たぬ一族』と蔑んでいるのである。

そして、呪符を取り出した土御門は彼女たちを探索を開始した。





巨大な炎を紙一重で避けたヴィータはビルの中に隠れていた。

「ぜはぁ・・ぜはぁ・・。マジかよ。アイツ味方ごとやりやがった」

炎に巻き込まれた他の敵側の人間までどうなったかは分からないが、間違いなく回避も防御も間に合わなかっただろうと言うことは分かった。

「とにかく、このままじゃ撤退出来ない。急いでシャマルに・・・」

そこから先は口に出来なかった。

なぜなら・・・・・。

ズバッ!!

ヴィータのいたビルが突然輪切りにされたのである。

「な、何が・・・?」

崩れるビルから脱出するヴィータには何が何やら分からなかった。

辛うじて分かったのは、ビルが鋭利な刃物様なもので切り裂かれたことだけである。

あの見えざる刃の軌道上にいたら間違いなく真っ二つになっていただろう。

「ちっ・・・外したか・・・」
「!?」

ヴィータは慌てて声のした方に視線を向ける。

そこにいたのは、やや細
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