第二章 彼と彼女の事情
第十三話 恨みと破壊と大革命 上
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げつけられ、さらに弓矢の雨霰がさっきまで俺の召喚獣が存在していた場所にバカほど降ってきたのはさすがにぞっとした。
こいつら、既にこれほど連携ができているのか。
よけられたことがよっぽどショックだったのか、玉造だとか言う女は隙だらけで、カモと言っても差し障りがないほどだ。
『化学 Fクラス 坂本雄二 280点 Bクラス 玉造夏帆 DEAD』
「戦死者は補習!!」
「きゃああぁ!!」
本当に危ないぞ、少しでも油断しようものなら俺は今連れて行かれた奴の二の舞になる。
「坂本、梅津の戦線は膠着に持ち込めたぞ!渡り廊下いっぱいに展開しているから相手はこれ以上参戦できないからな!」
「了解だ、こっちはかなりツレぇが援護はいらん!」
「了解っす!」
そうか、左半分は膠着させることができたか。
「連合左翼へ、援護射撃に失敗してもバラバラに撃とうとしないで!絶対に一カ所に集めるのよ!」
「了解!!」
やばいな、小山の奴この戦いの後を見越してやがる。まるで自分のクラスの勝利を間違いないように思っているのではないだろうか。
遠近両面で俺は逃げ回らないといけないのか。
こっちの左面も膠着とは云え、いつ食い破られるものかなんて分かったもんじゃない。
腕の時計にちらりと目をやる、13:15 そろそろ参謀側からの報告が来ないとマジで壊滅するぞ。
「代表!」
遠くから俺を呼ぶ声が聞こえたが、後ろを振り向く余裕など勿論ない。
「どうした舘本!」
走ってきたのか息を乱れさせているあいつは階段に回していたはずの舘本か、さて良い知らせか悪い知らせか。
奴は少し深呼吸をしてから彼の出せる声量一杯に叫んだ。
「作戦ヴェルザンディ、発動されました!!」
BC連合の一部に動揺が走る、ほかの奴らは意味が分からないといった様子であるのは、おそらくその作戦の存在自体を知らないからだろう。
一部には戦争はこれで決まったなどと露骨に喜ぶものさえいる。
(兵士が喜んでいるのは関係ない、問題は指揮官だ)
指令官である小山を窺う。
今までその顔にほとんど感情を露わにしていなかったのは作戦がバレるのを抑止するためだと俺は考えていた。
しかし、歓喜するのかと思っていたそいつの顔は悲壮な感じに染まっていった。
一体何故だ?
お前とうちの参謀で考えた作戦なんじゃないのか?
「BCの連合軍に告ぐ、降伏しろ!」
この時俺は完全に油断していた、動揺している部隊の掃討戦ほどらくなものはないのだからな。
俺の呼びかけに答えるように小山は目を閉じながら、ゆっくりと片手をぴんと頭上に挙げた。
「BCの攻撃部隊総員に告げる。」
そしてその手を勢いよくこちらに振りおろす。
「総員、何としても坂本の首を取りなさい。逃げる奴は私の手で補習室に送ってあげ
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