第二章 彼と彼女の事情
第十三話 恨みと破壊と大革命 上
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得点が100点と少し削られてしまった。
とは言え、台場に籠城するならショットガンに武器を変更しておきたい。万が一、浅井が更に攻勢を掛けてきたときの為にも。
「みなさまにもう一度お聞きします、私に味方をしてください。いいえ、補習室に行きたくないのであれば味方しなさい。」
銃を残りの皆さんの方に構える。味方は、射撃管制官的な役割の舘本と得点がかなり削られてしまった台場下の二人しかいない。
正直言って今の状態だと、自分の持ち点と引き替えに敵軍全員を巻き込んで全滅させるなどというのは無理だろう。
「浅井君、如何でしょうか?」
こちらが武器を相手に向けているのと同じように、BC連合もこちらに各の武器がこちらに向けられている。
「妃宮さん、時期は今、だ。」
その言葉と共に一斉にひざまずくBC連合の将兵。
浅井が言ったのは日本人ならば誰もが知っているあの事件で主犯が直前に詠んだという詩の一節。それこそがF,C,Bの有志で決められていた作戦決行の合図であったし、浅井はそのメンバーの中心ではあったがもう一つの宣言をしてもらわないと、容易には信じられない。
「俺は宣言する!これより『作戦ヴェルザンディ』を発動する!!」
「「応!!」」
そして召喚獣たちは一斉に僕らに背を向けた。つまり疑いがあるなら殺してくれても良いと。
ヴェルザンディ、北欧神話において運命を司る三姉妹の女神の一柱であり、現在を司るという女神であり、紡ぐ者と云う意味。
私たちの作戦は去年一年の総清算という意味も持つんだと小山さんには言われていたが、作戦名にそんな大層な名前を付けるほどなのだろうか。
「指揮全権一切合切を全て貴女様に譲るようにと申しつけられております、何なりと我らに下知をお願いします!」
「「「我ら、貴女様のために獅子奮迅の戦いをして見せます!!」」」
「指揮権をいただきます、ですがとち狂って私を撃破しないでくださいね。」
「勿論です、我らの為に貴女様がお掛けなさった苦労を無駄になど致しません!」
やばい、洗脳されてるんじゃないだろうか。
「あの……それから貴女様はやめて頂けないかしら?」
「「分かりました妃宮様!!」」
彼らの身には一体何があったんですか、というより小山さんは一体彼らに何を吹き込んだのですか………
女子にまできらきらした目で見られるってなかなかない経験ですよ。
指揮官以下の全員の目がマジで、しかも今までの応答で一切嘘の兆候が見えない。
これほどまでに嫌われているとは、さすがBの代表様はクソ野郎でいらっしゃることだ。
「ならば、今こそ根本という諸悪の根元を討ち果たすのです。皆さんそれぞれの胸の奥に閉じこめた恨みを今こそ彼に倍返しにして差し上げるべきなのです。」
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