第二章 彼と彼女の事情
第十三話 恨みと破壊と大革命 上
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加減諦めろ。根本!!」
「そういきり立つなよ吉井君。僕はね、仕切り直しがしたかったんだよ。君たちがDに隠れているのはさっき知ったばっかりだけど、実に僕にとっては都合のいい事態だった。」
僕らに本陣守備に残していただろう部隊を差し向けながら、彼は僕らに背を向けてこう呼びかけた。
「参謀様をお連れしろ!」
一体何を、と思って奴が見る方を僕らも見るとそこには両脇をがっちり掴まれた妃宮さんが連れてこられた。
そしてその側には得点が削られ切り、首もとに剣先を突きつけられている召喚獣。
「妃宮さん!どうしてこんなことに!?」
「ごめんなさい吉井君、作戦は全て見破られていたのです……」
心の底から悔しそうな妃宮さんの言葉に僕らは愕然とする。
「そんな……司令と代表の作戦が………」
「嘘だろ、妃宮さんが捕まっているなんて……俺たちはどうすればいいんだよ……」
ざわざわと僕らの間に動揺の波が広まっていく。
「今のFの戦力では今回の戦いは拙速すぎました。それが……このざまです。」
顔を俯け、掴まれている腕を振り払おうともしていない妃宮さんはもう諦めきってしまったように見えた……
____13:19 四階渡り廊下_____
「友香さん!」
渡り廊下に攻勢を掛けている私たちの後ろから、屋上を直接奇襲する部隊に配属していたBC連合のメンバーを引き連れてきた『あの人』の声に私は思わず体がピクリと反応してしまった。
「小山さん、これで僕たちの勝ちなんだよ!」
同志であった浅井君の声まで聞こえてくる。
そう、私も勝ち鬨を上げたい。でも……
「浅井君、貴女の隣にいるのはどちらさまですか?」
自分でも驚くほど冷たく、低い声がでた。
周りにいた人間がびくりと身震いするのがわかる、だって私自身でさえそんな声がでることなんて今の今まで知らなかったのだから。
本当は千早さんの隣に全てを擲ってでも駆けつけたい。
でも、それができないのは。
耳に付けられたインカムと、私の率いている部隊の中にいる何人もの根本からの目付けの存在。
だめだ、ここまできた限りは絶対に勝たないといけないのに
今退けば私のしたことは一体何だと言うの。
味方を脅して、あげく言うことを聞かなければ実力行使にでる始末。
そんなの根本と変わらないじゃない。
なんとしても勝たないといけない
あの写真が見られたら千早さんに絶対に軽蔑されてしまうだろう
例え軽蔑されなかったとしても、私が『そういう事』をしている女だなんて知られてたくない。
今、渡り廊下の対戦科目として日本史と保健体育が場のフィールドとして選択されている。
私の得意科目である日本史のフィールドであるけれど、保健体育のフィールドには土屋という男子が私と同じように無双した
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