入学編U
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。この学校のカリキュラムをフルに享受できる新入生である優等生。
後ろ半分が二科生(ウィード)。左胸のポケットが無地のままの生徒。補欠的な扱いでこの学校に入学を許された新入生である劣等生。
達也は思う。
同じ新入生、同じく今日からこの学校の生徒となる身分でありながら、前と後ろでエンブレムの有無が、きれいに分かれている
誰に強制されたわけでもない、にも関わらず。
(最も差別意識が強いのは、差別を受けているものである、か・・・・・・)
それも一種の生きる知恵であるのは確かだ。
あえて逆らうつもりはなかったので、達也は三分の一辺りの中央に近い空き席を適当に見つくろって座る──
──筈だった、が恭夜がいない事に気付き、辺りを見渡す。
恭夜はなんと三分の二辺りの中央の席に座っていた。
達也は厄介事に巻き込まれないように、席へ向かう。
「おぉーい!達也ぁ!ここ空いてるぞー!」
どうやら、手遅れのようだ。
「兄さん、俺は向こうに座ってるから一人で座っててくれ」
「・・・・・・」
「いや、そんな露骨に嫌な顔しないでくれ」
「おい、ウィードのくせに僕達ブルームの席に座るな、さっさと後ろに行け」
ある男子生徒が恭夜達に向かって言う。
「・・・・・・」
「おい!聞いているのか!!」
恭夜が無視したのに激怒し、男子生徒は言葉を荒げる。
「それって俺に言ってるのかな?」
恭夜は人懐っこい笑顔を浮かべる。
男子生徒はその笑顔のうらに何があるのかも知らずに、言葉を続ける。
「そうだ!ここは僕達ブルームの席だ!ウィードのくせに生意気だぞ!」
「あれ?でも、席は自由だろ?」
恭夜は首を傾げながら言う。
「うるさい!舐めているのか!!ウィードの分際で!!」
男子生徒は右手で恭夜の胸倉を掴む。
ボギンッ
「ボギン・・・・って、え''え''!!」
恭夜の胸倉を掴んでいた男子生徒の右手が不快な音を立てる。
男子生徒の右手は曲がってはいけない方向に曲がり、折れていた。
男子生徒の右手を折った人物はもちろん──
「人の身体、気安くさわってんじゃねーよ・・・・ボケ」
恭夜だった。
先程の人懐っこい笑顔とは一転、見るだけで震え上がるようなおぞましい顔になっていた。
雰囲気すら、まるで別人のように・・・・否、別人だった。
「ブルームだとかウィードだとかくだらねーんだよ、アホが。俺に声かけた時点で死刑確定なんだよテメーは!殺戮してやるから迅速に死亡しろ!!」
「「「「・・・・・・・・!?」」」」
この言葉には恭
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