第拾壱話『偽りの恋人』
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にやっている。まあ、相方がユウだったかってのも真面目にやる理由かもしれないけど。まあ、そんなあんたが楽しみにしている町内会のショボいお祭りを……湘南最大勢力のこの江ノ死魔が総力をもって、今年の3会をブッ壊してやる!!」
ギロッ!!
「ひ……っ」
「う……」
殺気を飛ばしながら恋を睨み付ける。そして、その殺気により恋とリョウ以外のメンバーが怯む。
「ハーーッハッハッハ!そーなのそーなの、そんなにショックなの」
勝ち誇ったように笑う。
「まあでも、やめてやってもいいわよ辻堂。江ノ死魔が攻撃するのは外敵だけ。仲間には絶対に手を出さない。たった今ここで私に全面降伏して、辻堂軍団を江ノ死魔の傘下に入り、そして―――」
俺を指さす。
「そこに居るユ―――辻堂雄介が江ノ死魔に加わるって言うのなら、やめてやってもいい!」
まずいな、恋は有言実行するタイプだ。もし、ここで愛がこの条件を飲まなければ確実に祭りは潰される。
「どうする?辻堂。まあ、考えるまでも無いと思うけど」
「く……っ」
ギリッと歯を食いしばる愛。
しかたないここは、一か八かの賭に出てみますか。
「だってさ愛。ラッキーだな」
「へ?」
驚いている愛に対して、なるべく軽く言った。
「どうせ、祭りは無くなるんだからこんな面倒くさいことやらなくていいんじゃないか?もともと、愛はやる気無かったんだし」
恋が言っていることは確かに確信をついている……だが、確証がなくすべて推測の域を出ない。
それなら、なんとか誤魔化せばいい。
「これで、火曜日もなんにもしなくても良さそうだし、楽になってよかったよかった」
「な、なに言ってんだユウ?」
ヤバい、愛がハッタリだと気づいてない様子だ。
「(いいから、あわせろ)」
っと、視線を送る。愛は、それに気づきハッとなるが…。
「……くさい三文芝居だこと」
恋にも気がつかれたようだ。
「な、なにが三文芝居だい?本当だぜ、アタシが3会を楽しみにしていないのは」
ごめんなさい。くさい三文芝居でした。
「いまさら誤魔化せると思ってんの。あの辻堂愛が祭りの準備なんて、楽しみにでもしなきゃ手伝う意味がねーだろ」
確かに、普通不良がこんな地域行事なんか手伝うこと自体がおかしいことだ。だがもう、このまま突き進むしか無い。
「それはな、俺を手伝ってくれたんだよ。恋が言った通り俺たちは3会の準備委員会に選ばれた。身内だし、別に問題は無いはずだよな?」
あくまでポーカーフェイスで言う。内心は
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