第拾壱話『偽りの恋人』
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き覚えのある声に呼び止められ、振り返る。
「やぁっとみつけたわ!」
そこには、予想通り恋が仲間を引き連れて立っていた。
「ちっ、メンドくせーのが来やがった」
ボソリと呟く愛。それには、大いに同意しておこう。
「あんた達が昨日、今日とこのあたりを回ってたのはすでに調査済み。そして、今日もこのあたりにいると言う私の読みは当たったみたいね」
得意げに言う恋に対して、愛は面倒くさそうに言う。
「今日はテメーを相手してやる気分じゃ無いんだけど」
「こっちだって気分で相手されてねーわよ」
じゃあ、何しに来たんだろうかこいつは……。
「あ〜はいはい。用事があるならさっさとしてくれないか。これからユウと”二人”で遊びに行くんだけど」
「肉親だからって舐めてんじゃないわよっ!」
こめかみがピクンっと動いたかと思うと、怒声が飛んできた。
「なぁ、ユウ。恋奈のヤツなんでキレてんだ?」
「さぁ?なんでだろうな」
ほんとこいつは何で怒ってんだろうか…?
「ふん。いいのかしら私に尊大な態度をとって」
「ああ?」
ふむ、一触即発の雰囲気が漂ってきたな。
「また前みてーになかされたいのか」
「ああ!?私がいつ泣いたってんだ!」
慌てる恋。そして、ケンカを回避するのは無理っぽい。
「この前うちに来たとき泣いて逃げたじゃん」
「泣いてもねーし逃げてもねーよ!」
「泣いてたよな?ユウ」
「さあな、俺そん時見てなかったから知らねーし」
愛が俺に聞いてきたが、恋の名誉を考えて少し嘘をついた。
しかし、愛の言葉を聞いた江ノ死魔メンバーは「泣いてた?」とか「恋奈様が…?」と少し動揺していた。
「おいっ!辻堂愛!勝手に既成事実にすんな!」
「でも泣いたじゃん」
「泣いてない!泣いてないもんね!」
そんな風に言うと本当っぽくなるから逆効果だぞ…。
「ぐぐ……クソッタレ!ちょーしこいていられるのも今のうちだけよ」
「はいはい……で何。こっちは忙しいんだけど」
「いなしやがって……まあいい。辻堂!あんた、昨日もユウと一緒だったようね」
言いながら、決して大きいとは言えない胸を張りなおす恋。
「……で?」
「3会」
「!?」
3会……そのフレーズが出たとたん愛の表情が険しくなった。
「見たわよ、あんた達が孝行って店でこのポスターを貼っていくところを」
どこからともなく出した丸めているポスターを見せながら言う恋。
「普通ならサボるのに真面目
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