第四話:第71層攻略作戦
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おおおッ!!」
裂帛の気合いを迸らせ、ドラゴンの重い一撃を弾きかえす。
ノックバックしたドラゴンへ、レンは『無限剣スキル』を使用して盾をポリゴン片に戻し、そして、両手に剣を握った。
エスピアツィオーネとクリミナルエスパーダ。二刀を構えたレンに、全員が驚きの表情を浮かべた。
「ラアァッ!」
エスピアツィオーネがジェットエンジンのような大音響を響かせ、赤い光芒を纏った単発重攻撃『ヴォーパル・ストライク』が二本足で立つドラゴンの腹へ突き刺さる。
かなりの衝撃を受けてドラゴンの体が更に後退ると、クリミナルエスパーダが青白い色を宿し、見えない力に後押しされてレンの体が動き出す。
垂直四連撃ソードスキル、『バーチカル・スクエア』が青白い正方形を描いてフェルゲニシュ・シャドウムーンを弾き飛ばた。
「まだだァ!」
再び、今度はエスピアツィオーネに黄緑色の燐光を纏わせ、レンの体が飛んだ。
突進技『ソニックリープ』で一息に距離を詰めると、クリミナルエスパーダが、眩く白い光を纏い出した。
「これで…」
丁度その時、フェルゲニシュ・シャドウムーンがスタンから立ち直り、それまで好き勝手に攻撃してきた小さい存在を睨む。
「終わりだッ!」
白い光がまるで剣の延長となったかのように伸び、黒き竜の巨体を、正面から叩き斬った。
凄まじい轟音と、視界を染め上げる程眩い光。
それらが収まった時、竜の巨体は、その姿をポリゴンの欠片に変して、そして消えた。
† †
結局、今回のボス攻略戦は死亡者0で乗り越えることができた。一先ずの重荷が片付いたオレは大きな溜息をつくと、その場に座り込んでしまった。
「ふぅ…疲れた」
今、煙草があれば吸いたいという気持ちがなんとなく理解できる。まあ、ソードアート・オンラインにログインした時も今も未成年だから吸ったことなどないのだが。
今回のボス戦は全体的にそれほど辛くはなかったが、最後のは流石にキツイものがあった。
よくもまあ、あんな極限状態でスキルコネクトを連発し、あの必殺技まがいの一撃を放つことができたものだ。
ちなみに最後の光の剣は片手直剣のスキルではなく、無限剣の方のスキルだ。無限剣には熟練度が25、50、75、100になる度に光の剣ーー『リライト・スレイブ』のような規格外のスキルを習得できる。
それがなければ前に言った通りのデメリットだらけの産廃スキルだ。オレもこの必殺スキルに惹かれたからこそ熟練度をマックスにし、かつ剣技連結などという荒技を習得したのだから。
「と、いうことだ。分かってもらえたか、クライン」
座り込んでいるオレの目の前で渋面を作る赤い野武士にオレのスキルの説明を終えると、奴は同情の眼差し
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