第四話:第71層攻略作戦
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ドウムーンの眼前に躍り出たレンは、少しでも注意を己へ向けようとエスピアツィオーネをドラゴンの鼻面へ振り抜く。
『ガァァアアァッ』
「お、オオオッ!」
雄叫びを上げて、ドラゴンと人が斬り結ぶ。
ボスの攻撃はこれまで以上に早い。生半可なソードスキルを使えば最後、スキルディレイに縛られた刹那に決着はついてしまうだろう。ソードスキルは最後の詰めの時のみ。それ以外は使えない。
ならば、己の技術のみで削るしかないだろう。
「攻撃部隊はそのまま待機!怯んだら一斉攻撃! 防御部隊と遊撃部隊はオレの援護をしろ!」
それは、正に50層のボス戦、レンが伝説となった戦いの再現であった。
瓦解した部隊を立て直すために、ヒースクリフと二人のみでボスを一時間以上足止めしたその偉業と同等のことを、再びやろうと言うのだ。
「ラァッ!」
上段から振り下ろした一撃がドラゴンの肩を切り裂く。
カウンターとして襲い来る右爪を頭上へ飛ぶことで回避して、更に空中で首筋に一撃を叩き込む。
『グゥゥ…』
翻弄されているのに怒ったのか、低い唸り声がドラゴンから漏れた。
その隙に、エスピアツィオーネの切っ先がドラゴンの顔面を穿った。
『ギャアァァァ!?』
「攻撃部隊! 攻めろォ!!」
レンの号令に、待ってましたと言わんばかりに攻撃部隊がドラゴンへ詰め寄る。
真っ先に辿り着いたのはやはりキリトとアスナであった。それに少し遅れる形でクラインが背後に陣取り、ソードスキルを発動させる。
色とりどりのライトエフェクトが至る所で瞬き、ボスのHPを確実に削り取っていく。
あと、半分。
『グォォォォォ!!』
「立ち直りが早い!?」
スキルディレイにキリト達が縛られる中、フェルゲニシュ・シャドウムーンがスタン状態から立ち直る。
このままでは、攻撃を直で受けてしまうだろう。
ドラゴンがその巨腕を振り上げる。
そこに、白い影が飛び込んだ。
「レン君!?」
アスナの叫びにレンは答えず、その手に握る十字架の剣をポリゴン片へ還し、新たな武装を形作る。
『ガァァゥッ!!』
振り下ろされたのは必殺の一撃。
「ァああッ!」
激しいライトエフェクトとサウンドエフェクトが撒き散らされ、最前線にいた全員が顔を伏せた。
「ぐッ…」
顔を上げたアスナ達が見たのは、白い盾でドラゴンの強力な一撃を防いでいるレンの姿だった。
上から加えられる力に押し込まれ、レンの顔が歪む。彼のHPバーは既にレッドゾーンへ突入していた。
「みんなーー」
レンの援護へ、と号令をかけようとしたアスナを止めたのは、単身で飛び掛かろうとしていたキリトを止めたのは、他でもない。レンの雄叫びであった。
「うおおお
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ