第四話:第71層攻略作戦
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ーム分けにしており、キリト、アスナ、クラインは攻撃、エギル、ディアベルは防御・援護、そしてレンは遊撃という役割が今作戦の要だ。
フェルゲニシュ・シャドウムーンは一撃一撃が非常に重いとはいえ、防御に徹すれば簡単にHPを削り取られることはない。
更に一撃の間隔が長いため、攻防の切り替えが楽にできる。だからこその役割分担である。
エギルやディアベル率いる防御・援護部隊が確実にボスの攻撃を防御し、背後に控えたキリト、アスナ、クライン率いる攻撃部隊が一斉攻撃。ボスが怯めば更にレン率いる遊撃部隊が攻撃部隊に合流して更に追撃。ボスが反撃に移るならば遊撃部隊は防御・援護部隊に合流し、攻撃部隊を下がらせる。
効率的かつ最適。そして、失いつつあった『レン』という存在を攻略組に知らしめるのに、最良の作戦であった。
『アイギスの汚名返上』。唯一生き残っているアイギスのギルドメンバーとして、レンが行うべきことだった。そのために、レンは再び英雄と呼ばれなければならなかったのだ。
「パターン変わるぞ!気をつけろ!」
レンの指示に、防御部隊が盾を構える。これまでに削り取ったボスのHPバーは二本。その内、全てで攻撃パターンが変わってきている。
最初は両腕と尾による薙ぎ払いと叩きつけ、圧縮ブレスと広範囲ブレス。
二本目に入った以降は空中からのブレスに、滑空を加えたもの。
そして三本目。怒り状態特有の全身に血管が浮かび上がるのが続いているため、どうやら常時怒り状態らしい。
(さて、何が来る?)
部隊の展開を終え、いつでも援護にいけるようにエスピアツィオーネを構える。その瞬間だった。
フェルゲニシュ・シャドウムーンの巨体が縦方向に翻る。地面を削りながら這うように、尾が防御部隊の一部を捉えた。
「なッーー!?」
その絶句は誰のものか。はたまた全員のものか。
防御に徹していたはずの部隊が、防ぎきれず後方へ弾き飛ばされた。
背後に控えていた攻撃部隊に介抱されたのは三人のプレイヤー。どうやら死亡した人はいないようだが、満タン近くあったそのHPは残り数ドットの所まで減少している。
(なんという威力…! 50層の多腕野郎以上だ!)
驚愕しているのはレンも同じ。だが、彼にそんな余裕はない。すぐ様思考を切り替えて瓦解しそうになっている防御部隊の援護をするために走り出す。
『グルルルラァァァッ!!』
雄叫びと同時に、今度は横回転の薙ぎ払いが、防御部隊を纏めて弾き飛ばす。不幸中の幸いか、死者はまだいないようだが、最悪の状況と言っても過言ではない。
「少しでもダメージを喰らった奴は下がれ! 無事な防御部隊は再度防御陣を展開しろ! 遊撃部隊はその穴埋めだ!」
鍛え抜かれた敏捷値を遺憾なく発揮し、一瞬でフェルゲニシュ・シャ
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