第四話:第71層攻略作戦
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は迷宮区の更に奥へと足を運んだ。
† †
キリトにとってレンというプレイヤーは親友であり、ライバルであり、憧れであった。
自分の命欲しさに効率主義であるソロプレイヤーになったキリトとは対照的に、レンはまだ血盟騎士団を始めとする有力ギルドなどが出来上がっていない、それこそ第一層攻略の時から多くのプレイヤーを束ね、そして希望を与えてきた。
主義主張の違うプレイヤー達をうまく纏め上げ、かつ誰よりも強く在った《レン》というプレイヤーを見た時、キリトは彼に深い憧憬を抱いた。
昔見たヒーローのようではないけれど、まさしくレンは英雄であった。
だがそんな彼でさえ、この世界の闇には抗えなかった。かつてキリトがそうだったように、いや、それ以上に過酷な事件を経験して、彼は表舞台から姿を消した。
彼が黒鉄宮の牢獄へ自首したと知った時、キリトは心配になった。守り切れず、仲間を失う事は何よりも辛い。それに加えて、最後の一撃を与えたのは彼自身だという。
自殺。憧れた英雄がそのような結末を迎えるのは、到底受け入れることはできない。
だから、彼が戻って来た時は心の底から喜んだ。例え彼が変わっていたとしても、彼が皆を率いてこの鉄城を攻略してきた過去は変わらないのだから。
胸に秘めた思いが変わってしまっていても、彼は鉄城の攻略を続けると言った。だからキリトは、そんな彼の力に少しでもなりたいと、そして一刻も早くこの鉄の城を攻略すると誓った。この、今まで秘め続けてきたスキルを使ってでも。
† †
ある程度スキルコネクトを安定して発動できるようになった時、アスナから連絡が来た。
どうやら大体の攻略組が集まったみたいで、午後一時から攻略会議を始めるとのことだ。
「…オレが前に立ってやるのは久しぶりだな」
ギルドシステムが発見され、有力ギルドというものが確立して以降は全てそちらに任せていた。
それまではオレとその補助としてディアベルというプレイヤーが指揮を執っていたが、聖竜連合という有力ギルドのマスターであるディアベルはともかく、オレはまあ、余り覚えられていないだろう。
攻略には結束が重要だ。如何に攻略組の皆にオレの実力を納得させ、団結できるか。それが今回のネックとなるはずだ。
「…行くか」
少なくとも、今の陰鬱な表情が面に出ていては無理だろう。精神的にダメージが来るが、今だけは昔のオレを借りさせてもらおう。弱音を吐くのは、取り敢えず最後だ。
† †
「これで全員か?」
71層の中央広場に集まった攻略組の強者達を見回して、レンはアスナにそう問い掛けた。
「うん。少しいない人もいるけどね」
「そうか。なら、始めっか」
この広
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