四話:多忙な日々です
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、俺がその程度で謝るとでも?謝るに決まっているだろ!!!
こんな仕草されたら黒歌がふざけてついた嘘でも謝るさ!!!
だって可愛いは正義だからな!!!!!
「ご、ごめん、ちょっと色々思い出してたんだ。ほら、こっちに転校してきてからの事とか黒歌に会ってからの事とかさ。」
そう言うと何やら俺を値踏みするようにジーと俺を見つめてくる黒歌。
何だ?やけに真剣そうな顔つきだな。何かあるのか?
「ねえ、ルドガー……なんでルドガーは私の事をあっさり受け入れてくれたくれたの?私の事を深く聞こうともしないし……こんな意味の分からない奴といて怖くないのかにゃ?」
何で受け入れたか?……うーん、特に考えたこともないな。
勝手に連れて来たのは俺の方だから受け入れるのは当たり前だよな?
それに確かに黒歌は自分の事を余り話そうとしないけど
何か理由があるなら無理に聞く必要もないしな。
それに隠し事なら兄さんの方がたくさんしてたからな、慣れてるよ。
意味の分からない奴って言ったら俺もこの世界においては意味の分からない奴だから
お互い様だろ?という事で―――
「俺、よくお人好しって言われるからさ、困っている人が居たら助けたいんだよ。それに俺は黒歌のことはもう家族だと思っているからさ、家族を怖がる奴なんていないだろ?」
「家族…!!」
そう言って黒歌に向かって笑って見せると、目を見開いて驚く黒歌。
まあ、俺はこんな感じの奴だからさ、理由なんてそれぐらいしかないんだよ。
そのまま黒歌を見ていると少し悲しげな表情をしながら再び口を開いた。
「家族なのに……言えないことがあってもいいのかにゃ?」
「家族だからこそ言えないこともあるし、嘘をつくこともある。」
俺を一族の宿命に関わらせないために決して『オリジンの審判』『カナンの地』
について語ろうとしなかった兄さん……。
俺を守る為に約束なんかどうでもいいと嘘をついて
一人で『カナンの地』まで行ったエル……。
家族だからこそ―――家族を守る為に言えないこともある、嘘をつくことだってある。
でも―――それでこそ家族なんだ。
お互いがお互いを想い合っているからこそすれ違いが生まれてくる。
それが普通なんだ、だからどんなすれ違いがあっても家族は家族なんだ。
俺はそう信じている。
「……私には分からないにゃ……ねえ、もし家族が人殺しだったらルドガーはそれでも家族って呼べる?」
まるで獲物を狩る獣ような目つきで真っ直ぐに俺を射抜いてくる黒歌。
俺を試そうとしているのか?残念だけど俺には“人殺し”なんて比じゃない程の命を
殺してきた前科があるんだ……そしてそれでも“俺達”は家族であり続けた。
だから―――
「その罪も含めて丸ごと愛して見せるさ。」
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