暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マクロスF
0791話
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返す。
 いや、オウカが俺に対して好意を抱いているのは知っていた。だが、それはあくまでも自分を助けてくれた相手、つまりは兄に対するような好意だとばかり思っていたのだ。だが、それがまさか男に、異性に対する好意だったとは……

「アクセルさんがレモンさんを始めとして多くの恋人を持っていることは十分承知しています。また、ネギま世界にいる4人のように、いずれ恋人として迎え入れたいと思っている相手がいる事も。その、全てを承知の上でお願いします。……私も、その中の1人に入れて貰えませんか?」

 頬を真っ赤に染めながらこちらを見上げてくるオウカ。
 俺としてもオウカに対して好意は抱いている。それは間違いない。だが、それはオウカが俺に向けて抱いている好意とは別物なのだ。
 そう。俺が勘違いしていたような、兄が妹に向けるような好意。
 それ故に、俺の口から出る言葉は決まっていた。

「悪いな、俺にとってお前は妹のような存在なんだ。女としてお前を見る事は出来ない」

 オウカよりも年下でもある、あやか達4人に対してはきちんと女として意識しているのに、それよりも年上のオウカは妹としてしか認識していない。
 この差は、恐らく出会いにあるのだろう。出会った時から庇護対象だったオウカと、その真実はともかく、俺を庇護しようとしたあやか達。それが俺の相手に対する認識の違いとなり、そのまま時を重ねて確固たるものとなっていった。

「……やっぱり、ですか」
「オウカ?」

 だが、俺の言葉にオウカは泣くでもなく、あるいは怒るでもなく。ただ寂しげな微笑を口元に浮かべて呟く。
 その瞳の端から一筋の涙を零しながら。

「分かってはいたんです。アクセルさんが私へ向ける視線は女に対するものではなく、妹に対するものだったって事は。けど……それでも、私はアクセルさんを諦める事が出来なかった。今の私があるのはアクセルさんのおかげですし、そんな自由をくれたアクセルさんに……私は恋してしまったんだもの」
「……」

 そっと目端から零れ落ちる涙を拭い、再びこちらへと視線を向けたオウカは口を開く。

「その、私がアクセルさんの恋人になれないとしても……それでも、せめて……アクセルさんの事を想わせて下さい。それくらいは……許してくれませんか?」
「俺は……お前の望むものを与えてやれないぞ」
「それでも。アクセルさんは私にとってあの子達と同じくらいに大事な人ですから」

 あの子達。アラド、ゼオラ、ラトゥーニの事か。

「……お前がそれで後悔しないのなら、好きにしろ」
「ふふっ、はい。分かりました。絶対に忘れてなんかあげませんから」

 涙を浮かべつつ、それでも小さく笑みを浮かべ……そのままオウカは俺の前から駆け去って行く。
 その後ろ姿を見な
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