マクロスF
0791話
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「すいません、アクセルさん。こんな夜にお邪魔してしまって」
「いや、特に何か急ぎの用事があった訳でもないしな。それで? 何の用事だ?」
「……以前アクセルさんに言った、後で時間があったら話したい事があるって話を覚えていますか?」
そう言えば、確かマクロス世界とかの話をした時にその辺の話を聞いたな。まだ数日だが、随分前にも感じられる。
ただまぁ、オウカがやってきた理由も分かった。
「どうする? 家の中で話すか? それとも……」
「その、外でお願いします。確かここには庭がありましたよね?」
「あるにはあるが……まぁ、オウカがそれを希望するならそれでもいいか」
この居住地の中で最も大きい屋敷である俺が住んでいる家には、当然庭の類もある。ただしガーデニングが趣味というものがいないので、何か特別な庭という訳でもない。敢えて言うなら、量産型Wによって雑草の類が綺麗に刈られているといったところか。
そんな庭なだけに、一応明かりの類はあるが夜に見るとどこか物寂しい感じがする。
「……ふふっ、どうせなら何か植えればいいんじゃないですか?」
オウカもまた、そんな風に思ったのだろう。小さく笑みを浮かべてそう言ってくる。
黒い長髪が風に靡く姿を見ると、その名の通りにオウカ、桜花。どこか桜の花の印象を受けるな。もっとも、どちらかと言えば原作知識を持っているが故に本来のオウカの散り際の儚さを知り、余計にそう感じるのかも知れないが。
そんな風に思っていると、俺よりも数歩前に進んでいたオウカが振り向き、こちらを見上げてくる。
どこか思い詰めたような、そんな表情。
目を潤ませたオウカが、1歩俺の方へと踏み出す。
「今回アクセルさんがいなくなって、私は凄く心配しました。最初は数日で戻ってくると思い、それが数週間、数ヶ月……そして1年を過ぎても戻ってこなかった……」
喋っているうちに感情が高ぶってきたのか、その瞳から1粒の涙が零れ落ちる。
「けど、戻ってきた……今回の件で、本当にアクセルさんがいなくなるかもしれないと思い知りました。ですから……だからこそ、私は私の気持ちをここで口にします」
「……気持ち?」
「はい。……アクセルさん、アースクレイドルで貴方が私の洗脳を解除してくれた時から、私は貴方だけを見てきました」
待て、その言葉だと……つまり、そう言う事なのか?
そこまで口にすると、再びオウカは1歩を踏み出す。俺のすぐ目の前で、潤ませた瞳と頬を薄らと赤くしながら言葉を続ける。
俺にとっては予想外、だがオウカにとっては心が込められた一言を。
「アクセルさん。……いえ、アクセル・アルマーさん。私は貴方の事が好きです。……愛しています」
「……」
その言葉に、無言を
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