マクロスF
0790話
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消す。
目の前で消えた炎獣や影槍に残念そうな表情を浮かべつつ、それでも実際に魔法をその目で見て実感した為だろう。
最初に俺に魔法を見せて欲しいと言った政治家が、目を輝かせて座っていた席から身を乗り出す。
「いや、アクセル代表。魔法が実在するのを直接この目で確認出来たのは素晴らしいです。……ちなみに、魔法というのは習得するのに何か特殊な才能が必要なんでしょうか?」
その問いに、再びグラス大統領が口を開こうとするが、それを目で制してから質問に答える。
「そうだな、基本的には誰でも習得が可能な技術だ。ただし、ある一定以上になる為には才能が必要になってくるからな」
「つまり、この世界の住人でも魔法を習得出来ると?」
「恐らくは問題無いだろう。ただ、注意が必要なのはこの世界、俺達はマクロス世界と呼称しているが、このマクロス世界で魔法を使うには通常よりも多くの魔力が必要とされる。俺達シャドウミラーが交流を持っている世界の中ではトップクラスにな」
「それは……そうですか……」
余程に今の言葉がショックだったのだろう。政治家の表情は自分が魔法を使えるかもしれないという喜びから一転して、落ち込む。
「君達、それくらいにしておきたまえ。今回は非公式とは言ってもシャドウミラーとの交渉の場なのだ。あまり失態を見せないで欲しい」
「すいません、大統領」
政治家達が頭を下げ、話題が一新されて再び交渉へと話が戻される。
「それで、まず第1にだが……君達シャドウミラーが要求しているのはアクセル代表が以前言っていた内容と変わらないと考えてもいいかね?」
グラス大統領の言葉に、エザリアは頷く。
既にエザリアとは大筋でこちらの希望については話してある。それ故に戸惑う事無く頷いたのだろう。
「ええ、既に聞いています。シャドウミラーとしての要求は、都市を1つ作れる程度の土地と、資源各種。……ただ、これに1つ付け加えて欲しい物があるのですが」
「……それは?」
「実は昨日の戦闘終了後に、とある人物を確保しまして。その人物に関する全ての権利をこちらへと譲渡して欲しいのです」
「……とある人物?」
誰の事なのかは分からないのだろう。数秒程考え込んだグラス大統領だったが、やがてエザリアに向かって問い掛ける。
「それは誰の事か聞いてもいいかな?」
「レオン・三島」
エザリアがその名前を口にした瞬間、間違いなく先程までは俺の魔法を見て和やかな雰囲気だった会議室の中の空気が緊張で張り詰める。
「彼が……生きていたと? それも、そちらで確保していたというのかね?」
俺の方へと視線を向けて尋ねてくるグラス大統領に頷く。
「ああ、グレイスに捕まっていたらしいが、どうやら逃げ出したらしくてな
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