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我が剣は愛する者の為に
修行編 その一
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 冷静になったら何か思いつくかもしれない。)

すぅ〜〜〜はぁ〜〜〜〜〜。
大きく深呼吸をして、突き刺している刀に手を伸ばす。
引き抜いて、構えについて考えようとした時だった。

「あれ?」

思わず呟いた。
今、俺は構えをとっていない。
自然体の形に近いだろう。
左手で刀を持っている以外、ただ突っ立ているだけだ。
その恰好を見て俺はふと思った。

(剣術に何も構えない構えが存在するって聞いた事あるな。
 確か『無形の位』って名前だったはず。)

今の構えがまさに『無形の位』だろう。
ぐるりと今の構えのまま周りを見渡す。
流石に後ろは見えないが、それでも前の構えに比べて圧倒的に周りを見る事ができる。
おそらく、後ろまで注意を払う事ができるのは慣れが必要だと思う。
でも、今の構えのままでいけばいける、と思った。
しかし、まだ改良の余地が必要だろう。
けど、基盤はできた。
これを基本にしていけば、いずれ到達すると思う。
俺の構えが。
その後、朝日が出るまで構えについて考え、起きた師匠に怒られる事になった。
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