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Element Magic Trinity
戦友
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いにくくても女姿であるのが得策だろう。

「グラビティメイク “三又矛(トライデント)”!」

その横では、重力の矛を振り回すパラゴーネが押し潰すようにデバイス・アームズを壊していた。本来なら突く事を得意とするであろう矛だが、重力で造られているという点のおかげで叩きつけるだけでも機械程度ならお陀仏だ。
更に得意の重力変化で動力源そのものを壊していく。血塗れの欲望(ブラッティデザイア)に所属する彼女がデバイス・アームズの動力源や作りを知らない訳がない。
戦闘不能のエストを任されたミラはいないが、相手は単調な動きを繰り返すだけの機械。いくら数が多くても、作りや動力源、動きのパターンさえ知ってしまえばその時々に応じて動けるこっちが有利なのは言うまでもない。
更に言えば、ヴィーテルシアはティアに付き添ってS級クエストに行く事があるからある程度危険な事にも対応出来る。パラゴーネも、彼女は彼女でギルドマスター直属部隊を担う程の実力者だ。初対面で連携らしい連携もないとはいえ、少し戦っていればすぐに慣れる。

「パラゴーネ」
「何だ?リーシェ・クインリード」
「私はヴィーテルシアだ!……そんな事より、奴等の数が減っていないか?」
「む、それは的確だ。私達が駆逐しているからではないな」
「じゃあ誰が?ミラ…ではないし」

ふと目を向ければ、ミラはちゃんとエストの傍にいる。塔の前で戦うスバル達かとも思ったが、彼等は彼等で戦っているからそれは難しいだろう。
2人が顔を見合わせていると、かなり前の方で大きめの爆発音が響いた。

「!」
「何事だ!?」

ハッとして目を向ける。
と、1つの人影がデバイス・アームズを破壊しつつこちらに向かってきた。咄嗟に身構えるが、相手は2人には何もせず、ただデバイス・アームズを時に殴り、時に何やら広範囲の攻撃をしていく。
砂煙の奥から飛び出すように現れた人物は、ヴィーテルシアとパラゴーネを見て桃色の目を見開いた。

「え!?ヴィーテルシアさんもパラゴーネさんも…何で僕相手に身構えてるんですか!?」
「アラン!」

明るく、それでいて派手すぎない暖色の装束に灰色の髪。両拳に黒い光を纏うアランは戸惑うように声を震わせた。
え、え?と状況が呑み込めないらしいアランだったが、すぐに何かを思い出したように口を開く。

「そうだ!2人に伝えないといけない事が……」
「どうした?悪いがこの状態で聞く事になる」
「いえ、お構いなく!」

杖の先から炎を放ちつつ、目はアランに向ける。パラゴーネもすぐさま矛を構え直し、「やあっ!」とどこか可愛らしい声を上げつつ矛を振り下ろした。
こちらもデバイス・アームズを壊しながら、アランが騒音に負けないよう大声で叫ぶ。

「僕、奴等が出て来る為の出入り口を
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