第四幕その六
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「行こう、そしてね」
「そこで、ですね」
「彼がいれば渡そう」
ボタンと、です。スカーフも出して言う教授でした。
「この二つを」
「彼もなくして困っているでしょうし」
「そうしよう、では次は森に行こう」
「わかりました、ただ」
「ただ?」
「今日は天気がいいですから」
ふとです、カルロスは閃いて言うのでした。
「明るい場所で日向ぼっこをしながとか」
「うん、言われてみればね」
教授もカルロスのその言葉に応えます。
「ありますね」
「うん、だからね」
それでだというのです。
「森に行く前に日当たりがよくて」
「そのうえで人があまり来ない場所にですね」
「行こう」
そうしようというのです。
「例えば校舎の貯水タンクの上とかね」
「そうした場所はね」
そうした場所はとです、ドロシーも言います。
「あの子がいそうな場所の一つね」
「それじゃあ」
「ちょっと行ってみましょう」
「そこで見付かればいいですね」
カルロスがドロシーに応えます。
「それで」
「そうね、そうなればね」
「じゃあまずは」
「後はね」
ここで、です。ドロシーはここもと言いました。
「もう一つ行きたいところがあるわ」
「それは何処ですか?」
「塔よ」
そこだというのです。
「あの子のことだから塔にいるかも知れないわ」
「その一番上にですね」
「そう、いるかも知れないから」
その可能性もあるからというのです。
「あそこにも行ってみましょう」
「それがいいね」
教授もドロシーのその言葉に頷いて同意を示します。
「では貯水タンクのところも捜して」
「そして次にね」
「塔に登ろう。それに塔だと」
教授は皆に言いました。
「そこから大学中が見渡せるからね」
「だからですね」
「そう、それでね」
こうお話するのでした。
「彼を捜そう」
「ボタン=ブライトを」
「一つ一つの場所を見て回るよりもね」
「上から見渡せばですね」
「見付けやすいからね」
それでだというのです。
「ではいいね」
「はい、わかりました」
五人が教授に答えてでした、まずは。
貯水タンクのところを捜しましたがです、それでも。
彼はいませんでした、それで。
教授はあらためてです、皆に言いました。
「では今から行こう」
「はい、塔に」
「あそこに」
「そしてね」
「あそこからですね」
「ボタン=ブライトを捜しましょう」
「より早く気付くべきだったね」
教授はここで後悔も感じました。
「まずは塔に登ってね」
「そうして捜すことですね」
「最初にすべきだったっていうんですね」
「うん、まあ塔は大学中を見渡せるが」
それでもというのでした。
「校舎の中は見られ
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