アインクラッド編〜頂に立つ存在〜
第三話 いざこざ
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「そうだよね・・・」
ソレイユの呆れにルナが同意する。そんなやり取りをしていると、再び転移門が青く発光した。アスナは、はっとした表情で後ろを振り向くと、あわてた様子で立ち上がりキリトの背後に回り込んだ。訳が分からないままキリトも立つ。ソレイユとルナは離れて事の成り行きを見守ろうとしているため少し離れたところにいる。転移門の光が消えるとそこに立っていたのは、昨日アスナにつき従っていた護衛の一人であるクラディールだった。
ゲートから出たクラディールは、キリトと背後のアスナに目を留めると憤懣やるかたないといった様子で口を開いた。
「ア・・・アスナ様、勝手なことをされては困ります・・・」
「・・・めんどくさいことになってきたな」
「・・・そうなんだよ」
クラディールのヒステリックな声を聴いてソレイユとルナはげんなりした様子でつぶやいた。キリトのほうを見ると彼も同じことを考えたのか首を縮こませている。
「さあ、アスナ様ギルドの本部まで戻りましょう」
「嫌よ、今日は活動日じゃないわよ!・・・だいたい、アンタなんで朝から家の前に張り込んでるのよ!?」
「ふふ、どうせこんなこともあろうかと思いまして、私一か月前からずっとセルムブルグで早朝より監視の任務についておりました」
得意げなクラディールの返事に、唖然とするアスナ。そのやり取りを見ていたソレイユは隣で顔を引き攣らせているルナに聞いた。
「・・・なあ、KoBっていつからストーカーまで入団させるようになったんだ?」
「・・・私もそんなの初耳だよ」
「「・・・・・・・」」
二人がそんなやり取りをしていると、凍り付いていた表情のアスナが硬い声で聴き返していた。
「そ・・・それ、団長の指示じゃないわよね・・・?」
「私の任務はアスナ様の護衛です!それには当然ご自宅の監視も・・・」
「ふ・・・含まれないわよバカ」
その言葉を聞いた途端クラディールは怒りといら立ちの表情を浮かべ、キリトを押しのけてアスナの腕をつかんだ。
「聞き分けのないことをおっしゃらないでください・・・さあ、本部に戻りますよ」
抑えがたい何かをはらんだ声の調子に、アスナは一瞬ひるんだ。しかし、アスナをつかんでいたクラディールの右手首を犯罪防止コードが発動してしまうぎりぎりの力でキリトがつかんだ。
「悪いな、お前さんのトコの副団長は、今日は俺の貸切なんだ」
「・・・俺らはいらないってことなのかな?」
「そ、そういう意味で言ったんじゃないと思うよ?」
キリトの台詞を聞いてソレイユがぼやいた。ルナは苦笑いでソレイユに対応するしかなかった。
「貴様ァ・・・」
唸るクラディール。それを見てもキリトはクラディールにいった。
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