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ファイナルファンタジーT
25話 『人魚の面影』
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がって、ソイツに手ェ引かれたっつーか……下半身魚っぽくて、上半身女みてェな──── 」

 ルーネスに問われて記憶を辿り、顔は見えなかったが髪は長く白っぽかったように思えるランク。

「あれ……、そういえばわたしも何かに手を引かれたような気がする。人魚……かどうか分からないけど」

「そうなんでスか? ボクは、覚えてまセんけど………」

 シファも何かの感覚を思い出し、ビルは自分だけ何も覚えがない事を少し残念に感じる。

「おれ達でその人魚っぽいヤツを探してみようぜ! うまくいけば、[空気の水]ってのくれるかもしれないしなっ」

「そうだね、海底神殿に行くにはそれが必要みたいだから」

「そっちから姿現してくれれば、話は早いんだけどねぇ?」

「……とにかく諸悪の根源さえ倒せば、この町に多数の海魔が襲って来る事もなくなる筈だ」


「おいオマエら、勝手に話進めてンじゃねーよ。海底神殿にのさばってるヤロー潰すのは"オレら"だッ、オマエらじゃねェ」

 ランクはルーネス、アルクゥ、レフィア、イングズに向けてきっぱり云い放つ。

「へ? そうなのか?? おれ達、協力し合ったじゃんさっき。この際一緒に何とかしよーぜ!」

「それは、そうだけど……でも3匹目のカオスを倒すのは、わたし達の役目だから……!」

 ルーネスの提案が有り難くない訳ではないが、断りを入れようとするシファ。


「……この辺りの海域を荒れさせ、町に海魔を送り込んでいる奴ともなればそれなりに強敵だろう。3人だけでは、厳しいんじゃないか?」

「オマエらにゃカンケーねェ! アイツが居なくても、オレらだけでやれるってのを証明して……ッ」

「 ────ランクさん、それって何か違う気がしまス」

 イングズの言葉に反発するランクにビルは何を思ってか、珍しく口を挟む。

「マゥスンさんが居なくても、ボクらだけで大丈夫って事じゃないでス。他の人の力を借りてでも3匹目のカオスを倒して、無事にマゥスンさんを迎えに行ってあげるべきじゃないんでスか?」

( ……そっか、無理するんじゃなくて、誰の手を借りてでも"確実に"って事なんだ)

 シファはそのように解釈し、ランクはまだ納得しきれていないがそれ以上何も云えずにいる。

「わたし達からも、協力をお願いします。あなた達の力を、貸して下さい。────それでいいよね、ランク?」

「ちッ、しゃーねェ……足手纏いなンなよ!」


「じゃあ、決まりね!……そういえばあたし達の事はルーネスが勝手に紹介したけど、あなた達の事ちゃんと聞いてなかったわね?」

「あ、わたしはシファって云うの。あなたはレフィア……、だったよね」

「えぇ、そうよ。シファは白魔なのね? あた
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