25話 『人魚の面影』
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◇ 共闘 ◇
「「海魔だ……! 海魔共が、襲って来たぞーー!!」」
突如外から危機を知らせる大声が上がり、先程シーフのランクが"人魚を見た気がする"という発言に驚いていた面々だが、ひとまずその事は置いておきすぐに宿屋から外へ出る7人。
雨はそれ程でもないが、沿岸から吹き荒れる強風の中オンラクの町の港は騒然となっており、様々な海の魔物────海魔(かいま)がひしめくように居住区まで迫ろうとしていた。
「4人の旅人さん達……、悪いけど町の為にまたお願いするよ!」
「あぁ、おれ達に任せとけ! 行くぞ、みんなっ!」
ランク達3人が訪れる前から滞在していたらしい4人の若者は町の人々から頼りにされているようで、
戦士ルーネスは腰の両脇に携えた長剣と短剣を引き抜き3人の仲間に声を掛け、学者アルクゥ、忍者イングズ、赤魔道師レフィアは多数押し寄せる海魔へと果敢に向かって行く。
「……ランク、わたし達も協力しよう!」
「あぁ? メンドーだなッ」
「ランクさぁん、せめて"オレ達も行くぜ!"って号令くらい掛けて下さいでスよぅ」
シファ、ランク、ビルも戦闘体勢をとり、武器を手に戦える町の人々と共に様々な海魔────ゲル状のプリン、半魚人のサハギン、海蛇のシースネイク、渦巻く水塊のウォーター、海で還らぬ者となったアンデッドらを迎え討つ。
学者の少年アルクゥは、手にした何かの物体を投げつけて放電させ次々と海魔を感電させてゆき、程近くで黒魔法で応戦していたビルはそれを見て声を掛ける。
「き、君! アルクゥさん、でシたっけ……何を、投げつけたんでスかっ?」
「あ、これは[ゼウスの怒り]っていう雷の魔力が凝縮した攻撃アイテムで、投げつけると魔法と同じような効果を発揮するんだ! 前に調べておいたけど、大体の海魔は雷属性が弱点だからやっぱりこれじゃないと……それ!」
少年と呼ぶには大人っぽい忍者のイングズは、投てきと刀を駆使して海魔達を素早く屠ってゆく。
「(あの人、すごい……! わたしだって、アンデッドになら──── ) <ダディア>!」
アンデッド系に有効な白魔法だが他の海魔には流石に効果は薄く、シファは半魚人のサハギンに狙われ襲い掛かられてしまう。
「 あ……っ!? 」
「 ─────! 」
そこへあの忍者の青年が駆け付け、背後から強烈な一撃を見舞い倒してくれる。
「 大丈夫か?」
「う、うん、ありがとう……!」
「他の海魔はこちらに任せてくれ、アンデッドの方は頼む」
「 分かった!」
「これでも食らいなさい────やあっ!」
赤魔の少女レフィアは片手剣に雷属性を付加させ海魔達を華麗に斬り伏せてゆ
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