七十八 帰郷
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「それよりシカマル!胸がでっかくてきれーなばぁちゃん…じゃなかった、ねぇーちゃん見なかったってば?」
「は?………いや、見なかったけど」
唐突な質問に否定を返すと、ナルはその場で「真っ先に病院へ行ってもらわねーといけねぇってのに!」と地団駄を踏んだ。
「病院?」
「そのねぇちゃん、すっげー医療忍者なんだ。火影になるってやっと里に戻ってきたのに、どこ行ったんだってば!」
「…ちょっと待て。火影だと?」
怒涛の展開についていけないシカマルに対し、ナルと目線を合わせるようにしゃがんだシカクが「もしかして、」と訊ねた。
「綱手様か?」
「そうだってばよ!ゲジマユを診てもらおーと思ってたのに…っ」
そう悔しそうに言うナルの言葉に、シカマルは以前病室で横たわっていたリーを思い出す。
中忍試験にてうずまきナルトと対戦した彼が未だに目覚めていないので、綱手に診てもらおうと考えたのだろう。
誰かの為にいつも一生懸命なナルを微笑ましげに見つめていたシカマルは、ふと彼女の青い瞳に哀しみが過ったのを感じた。加えて、なんだか普段より元気が無いような気がして、違和感を覚える。
「……?」
「じゃーな、シカマル!また後でな〜」
手を振って螺旋階段を降りるナル。
遠ざかる彼女の背中を目で追いながら、「……親父」とシカマルは視線をそのままに父親を呼んだ。
シカマルが感じた違和感をシカクも感じ取ったのだろう。「ん、行ってこい。母ちゃんには上手く言っといてやるよ」と手をひらひら振る。
何もかもお見通しな父の態度にちょっとムッとするものの、今はありがたく「…悪い」と謝って、シカマルはナルを追い駆けた。
ナルを追って、着いた先は木ノ葉病院。其処の屋上で見えた金の髪を目印に、急ぎ向かう。
屋上に辿り着いたシカマルは眼を瞬かせた。
「……あんたが火影候補―――三忍の一人、綱手か」
驚いて立ち竦むナル。その隣で怪訝そうに眉を顰める美人。彼女がおそらく綱手だろうと思い当ったシカマルは、聞き覚えのある声に唖然とした。
「俺と闘え」
綱手と対峙するのは、先ほどシカマルが話題にしていた張本人――うちはサスケであった。
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