使い魔の森ってかなり広いんだな
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息を引き取った。銀術士にはまだ返せていない恩があると言うのに。
血縁者は全て死に絶えているそうで、オレが葬式を取りまとめることになった。銀術士と交友関係があった者達は少なく、葬式は簡単に終わった。その後、遺書によって幾つかの工房と溜め込んでいた銀がオレの物になった。
葬式が終わった夜、オレは今世で初めて涙を流した。
次、一番胸糞悪い出来事の話だ。主役はハムリオ。禁断の恋の結末だ。あまり詳しい事を聞いてはいないので後始末以外は簡単にしか説明出来ない。
たまたまハムリオがはぐれ悪魔の討伐に出ていた際に教会の者とブッキングして、互いに惚れたのだ。しかも、ハムリオと同じ銀術士を扱うエクソシストと。
個人的には祝福してやりたいが、敵対組織の者との恋愛と言うのは御法度所か粛正物だ。確か、ごく最近にそんな粛正沙汰が起こっていたはずだ。それを理解している上でオレに連絡を寄越してきたハムリオの行動は、ハムリオとその相手の本気さが伝わってきた。例えはぐれに指定されてでも添い遂げてみせると言い切ったのだ。
オレは悩んだ末にハムリオに一つの任務を言い渡した。新潟の山奥にある工房、オレと黒歌達が暮らしていた工房だ。それの管理を無期限で言い渡した。当時使っていたままで色々と結界も敷いてあるので、今でもたまに整備しているのだが結構めんどうなのだ。だからそれの管理をハムリオに任せる。大変な仕事だから人を雇っても仕方ないよな。そう伝えたのだ。
オレの言いたい事が分かったのか、ハムリオは涙を零しながらも任務を拝命して去っていった。それで終わったのなら、どれだけ良かったか。数日後、ハムリオが教会に拘束されたと連絡が入り、至急現地に飛んだ。
教会側が指定してきた場所に行くと、拘束された上で気絶しているハムリオと強欲の塊の様な司祭が4名とその護衛らしき聖剣を携えたオレンジ色の髪の少女と熾天使のガブリエルが居た。教会側の言い分は、優秀なエクソシストである銀術士がハムリオの手によって神器を抜き取られて殺された。その際、救助に駆けつけた司祭が負傷したと言う物だった。オレはそれを完全に否定する。司祭の中心にいた男は自分がその証人であると告げた。だからそこでこちらも札を切らせてもらった。
記憶を覗き見る魔法の存在を明かすと、急に司祭が狼狽えたのだ。出任せであると、悪魔の使う魔法など信用出来るかと。だが、ガブリエルは悲しそうな顔をしながら、その司祭を拘束してオレに記憶を覗き見る魔法をかける様に告げた。それを見終わった後、確認の為にハムリオの方の記憶も確認する。
判明したのはハムリオが今持つ神器、金属の理は無から有を産み出す神器であり、本来の持ち主である女性は銀を産み出し、それに光力を込めて聖銀に変化させて銀術を扱って
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