一時の幕間
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ほどこの男に肩入れしていると見える」
「それ、本気で言ってる?そいつは私の仕事とは無関係、殺したいのなら殺せば?」
「その隙にテロ屋にやられるのはたまらんな」
ユリウスは笑みを零しながら、廊下の壁に向かって歩を進める。そして、もう一度冷たい視線が此方に向け
「確か、エミヤといったな……覚えておこう」
殺意の篭った瞳で見据えたまま、ユリウスは壁に溶け込むように消えた。
「よりによってアレに目を付けられたり……災難ね」
「そう思うならそのニヤニヤ笑いを止めてくれ」
他人の不幸が面白いのかニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべる遠坂。一方、ランサーは槍をしまいつまらなさそうに顔をしかめる。
「ちっ、折角楽しめそうなやつだったのによぉ」
「相変わらず戦いしか貴様は考えてないのか」
「仕方ねぇだろ。ここの奴らじゃあ全力を出せるほどのやつがいねぇんだぁ。それに………」
獅子が獲物を捕らえる時のような眼光でランサーはアーチャーを睨みつける。
「…………貴様との決着もついてないからな」
「ほう………」
二人の間に火花が飛び散る。あの教会の戦いは二人にとって決着を白黒つけないと気が済まないのか。俺の知らないところでないがあったんだ?
「…………キャラクタープロフィールをハッキングして好き放題やってた、か。この手の反則をやってこられると、校内でも気を抜いてられないわね」
遠坂は近くの壁を触り何か独り言のように呟いている。結果的に助けてもらったようなものなので感謝しようと思ったところ
「……なによ、その目は。別に助ける気で出てきたわけじゃないわ。ハーウェイの殺し屋に挨拶したかっただけ」
向けられるその冷たい視線は、ユリウスに向けられていたものと変わらない。 だけど
「遠坂はそんなつもりかもしれないけど、俺が助かったのは事実だ。ありがとう遠坂」
「ッ!?……………………調子狂うわね。頭、おかしいんじゃないの!!」
遠坂は顔を真っ赤にして怒鳴りつけると背を向けて歩き出す。
「行くわよランサー!」
「へいへい。またな坊主。首洗っとけよアーチャー」
「貴様の方こそな」
ランサーも実体化を解き姿を消し遠坂の後に続く。だが、一度だけこちらを振り向き遠坂は口を開いた。
「拾った命、精々三回戦で使い切らないようにね」
それだけ言うと遠坂の姿は消え何処かに行ってしまった。結局怒鳴られたけどこれでよかったんだと思う。この先さらなる強敵が現れると思うけど彼女には生き残って欲しい。
『……………いずれ戦うことだけは忘れるなよマスター』
「………………わかってるさ」
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