一時の幕間
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らな、そうだろ?」
アーチャーは突然何もない左の廊下の空間を睨みつけると空間は歪み靴音が聞こえてきた。そちらを振りかえれば、額に皺を寄せた黒いコートに身を包んだ男が立っている。
「なあ!?何時から………」
「この男はあの決戦場に飛ばされた時からずっとマスターのことを狙っていた。先ほどのサーヴァントのマスターはこの男だ」
「気付いていたか。勘がいいな」
…………全然気づかなかった。気配には敏感になったつもりでいたが、視界で捉えても未だに気配がうまくとれない。いや寧ろこの男が気配を探られないよう鍛錬をしたのかもしれない。
この男には見覚えがあった。仮初の学校生活で、葛木先生の名を使い教師の役を担っていた筈の男。
「あの【魔拳】から生き延びただけあるが所詮はその程度。その実力でよく生き残れたな」
「随分と言ってくれるじゃないか」
男の台詞はあの襲ってきたサーヴァントと共犯者と認めているようなもの。それと同時にこの程度のことでは自分の勝利は揺るがないという自信の表れ。
「………いずれにせよここで狩っておくにこしたことはない」
男から向けられる殺気が膨れ上がった。決戦場とは違いここで俺たちを殺すというのはセラフの目から逃れる手段があるということ。
「投影開始」
両手に干将・莫邪を投影し構えをとる。すると片眉を吊り上げて片手に魔力をたぎらせた。
「それは宝具か?何故そのようなものを人間であるお前が手にしている」
「お前に教えてやる義理なんかない」
「……………そうだな。貴様は消えることに変わりはなのだからな」
互いの間に一触即発の空気が流れる。あのアーチャーが負けるかもしれないと言った相手だ。恐らくマスターとサーヴァント共に一流の人物なのだろう。勝機は薄いかもしれないがただ殺されるわけにはいかない。
しかし、男の強烈な殺気は怜悧な刃物のように研ぎ澄まされ、視線は此方の首を見据えている。
一歩一歩近づいてくるそれに圧倒され、汗が一滴零れ落ちた。その時
「よう、戦うなら俺も混ぜろよ」
俺と男の間を一本の赤い槍により遮られる。それと同時に聞き慣れた声が聞こえてきた。
「あら、放課後の殺人鬼がそんな隙だらけでいいのかしら?」
突如現れたのは殺人鬼と呼ばれた男に指鉄砲の構えで優雅に微笑む遠坂と獲物を見つけたように鋭い笑みを浮かべるランサー。
「遠坂凛か。テロ屋がなんのようだ」
「随分なお言葉ね。叛乱分子対策の大本、【ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ】」
男の名はユリウスというらしい。待てよ?ハーウェイってどこか聞き覚えがあるような………………確かレオと同じ名前。つまり兄弟何だろうか?
「…態々俺の名まで晒すか。よ
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