一時の幕間
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わりに訪れたのは妙な浮遊感。
目の前で、上下すら関係なく回る視界。一瞬のうちにそれが目の前で起き、気づくと地面に乱暴に投げ出されるが、なんとか着地をすることができた。
(ここは……………決戦場?)
周囲を見回すとここは一回戦の時に慎二と戦った決戦場。前回は所々沈没船に目が映ったが今の俺の目にはある光景のみ。
「脆弱にも程がある。魔術師とはいえ、ここまで非力では木偶にも劣ろう」
真っ赤な衣装で身を包む男が佇んでいる。足元には、先ほど見た者とは比べ物にならない程の死体の山を踏みつけ品定めをするかのような目で俺を見ていた。
暗殺者
俺が知っているアサシンとは比べるまでもなく【死】を体現していると言って良いだろう。それほどまで死という言葉がふさわしい暗殺者。
一瞬でも目を離したらおれの命を奪えるような技術を持っているのを確信できる。
「鵜を縊り殺すのも飽きた。多少の手応えが欲しいところだが……小僧、お主はどうかな?」
中国の武術を彷彿とさせる構え。投影する暇さえなく、突きを繰り出すその男の拳が迫りとっさに叫ぶ。
「アーチャー!」
次の瞬間、拳と剣がぶつかり合う音がした。アーチャーは手にしている剣で男の拳を受け止め受け流す。
その動作はそこでは終わらず剣を振り上げ相手に向かって一気に振り下ろすが、男は後ろに下がり剣を回避した。
「ほう……その剣、干将・莫耶か。刀工の英霊とはまた珍しい」
「其方も名のある英霊と見た。だが、私のマスターに指一本触れさせん」
片眉を釣り上げ、アーチャーが第一撃を防いだ事に男はさも可笑しげに笑う。
「興が乗ったが時間切れだ。舞台裏ではこれが限度よ」
飄々と男が言い括ると、隅の方から空間が崩れていく。おそらくセラフがここを感知し、この空間を消しにきたんだ。
「良い余興だった。ここで殺しきれんのは仕方ないが縁があれば再び愛見えよう」
視界は暗転し死体も消え気がつくと元階段前廊下に戻されていた。辺りを見回すがあの男の姿がない。
「アーチャーあのサーヴァント………」
以前俺たちを襲ってきた二本の槍を使う騎士。前回同様に場所を飛ばされ襲われた点が似ていたが
「いや、あの騎士とは無関係と言い切れる」
「……………やっぱり、そうだよな」
アーチャーも同じことを考えていたようだ。あの黒騎士とは戦い方が明らかに違う上纏うオーラのようなものが正反対といえる。例えが出てこないがなんだろう。根っこが違うと言えばいいのかな?
「しかし、あのまま戦いが長引いたら負けていたかもしれん」
「アーチャーにしては随分と弱気なことを言うじゃないか」
「………………いや、相手のマスターが此方のマスターを何時でも狙えていたか
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