トワノクウ
第十八夜 千草の蜃(三)
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なさとか。そんなものより。
(なんとかしてあげたい)
強く想った。
「任せてください」
梵天は驚いたようにくうを見やる。
「くうが、なんとかします」
――「なんとかしてやる」。父の口癖だ。どんな困難でも父はその一言で本当になんとかして≠ュれた。篠ノ女紺の娘なら、このくらいできないでどうする。
「絶対に露草さん起こします。だからそんな顔しないでください」
くうは梵天の頬に手を添えて、言った。
梵天は先程とは異なる苦笑を浮かべて、くうの手を静かに外す。梵天の手の体温は、やはり人間の常温より高い。
「期待してるよ」
「! はい!」
頼まれ事は家庭でも学校でもたくさんされてきた。それでも、今ほど心を衝いた願いはなかった。
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