マクロスF
0789話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
織――しかもそれ程大きくない――でしかない。
その辺を考えれば、こっちと向こうの妥協点を作り出すのはそれ程難しくないだろう。
そんな風に考えながらグラス大統領に向かって頷き、口を開く。
「ああ、お互いに無事で何よりだ」
そう告げて握手を交わすと、俺の横にいたエザリアが1歩前に出て口を開く。
「こうして直接会うのは初めてですね。シャドウミラーの外交を担当しているエザリア・ジュールといいます」
ミスと呼ばれたのに少しだけ眉を顰めたエザリアだったが、すぐに微笑を浮かべて手を差し出し、グラス大統領と握手を交わす。
にしても、ミスと呼ばれて眉を顰めるとはな。ミセスってのは基本的には既婚者に対する呼び方である以上、イザークがいるとは言っても独身のエザリアはミスでいいと思うんだがな。
「ええ、通信では何度か会話しましたが、こうして会うのは初めてですな。フロンティア船団にとっても、そしてシャドウミラーにとっても、この出会いが良き物になる事を祈っています。私達は以前ゼントラーディと不幸な出会いをしてしまいました。それは昨日戦ったバジュラに関しても同様です。それらを繰り返さぬよう、砲火ではなく言葉を交えていきたいものですな」
「ええ、そうですわね。ですが、お互いの価値観が違いすぎれば往々にしてその結果は武力行使になるものです。そうならないよう、お互いに相手を理解していかなければなりません」
お互いに笑みを浮かべつつ言葉を交わしているが、言葉の裏を考えれば『お互いに話し合いが出来る相手なんだから、野蛮な武力行使じゃなくて話し合いで交流を進めよう』『出来ればそうしたいけど、お前達が無茶な事を言ってくれば武力行使も躊躇わない』といったところか。
既にこの段階で交渉が始まっている辺り、俺にとってはやっぱりこの手の仕事は苦手だ。
「大統領、ここで話していてもなんですし、まずは会議室の方へ……」
そう告げてきたのは、グラス大統領の後ろにいたキャサリンだ。
へぇ……いやまぁ、確かにこの人選はおかしくない。S.M.Sでそれなりに長期間俺と行動を共にしているキャサリンは、当然俺の事をある程度は知っているだろう。
少なくても、バジュラとの戦いの終盤に近くなってから俺という存在と接触したグラス大統領よりは詳しい筈だ。
ああ、でもグラス大統領も一応ガリア4から戻ってきた時に会ってはいるか。ただまぁ、あの時は色々と忙しくて実務的な話だけで終わったしな。
ともあれ、キャサリンの言葉に頷いたグラス大統領は俺とエザリアへと視線を向け、最後にエレベーターから出てきた人物を見つけて、思わず目を見開く。
「ミス・シェリル? ……何故君がここに? ああ、いや。君とアクセル代表の仲を考えれば、それ程不思議な事ではないのかもし
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ