第七話 安東中佐!相撲ごっつあんです!!その九
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「モツとかも食ってな」
「ビールも飲みまくろうぜ」
「肉食って力つけてな」
「また日帝衆の奴等に勝とうぜ」
こう話して勝負に挑むのだった、実際に焼肉食べ放題の店でビールも大ジョッキで浴びる様に飲んだのだった。
その頃西郷は昼食を摂っていた、そのメニューは。
稗の入った飯に少量の漬物、それと味噌汁だけだった。膳の上にあるその食事を黙々と食べる彼にだった。
対談に来て共に食事を摂っているフランスの外交官が驚いてだ、彼に問うた。
「あの、元老は」
「何でありもっそ」
西郷は外交官に流暢なフランス語で返した、尚それでも薩摩弁であるのはそうした訛りのフランス語になっているからだ。ちなみに西郷はフランス語の他に英語、中国語、スペイン語、ドイツ語、ラテン語、ロシア語、イタリア語、ギリシア語、ポルトガル語、モンゴル語、アラビア語を話せる。
「食事がお気に召されなかったでごわすか」
「いえ、そうではないのですが」
それでもというのだ、ちなみにこの外交官の名前はアンドレ=ド=シトロワという。モブであるが顔立ちはその名前のまま人間山脈の人である。
「いつもこのお食事なのですか」
「そうでごわす」
稗飯と漬物、味噌汁だけだというのだ。
「会食の時、招待して頂いた時はそのお勝利を召し上がらせてもらうでごわすが」
「普段はですか」
「昼はこれでごわす」
「では朝は」
「雑穀のお粥でごわす」
それが朝食だというのだ。
「麦やこの稗、粟が入った」
「そうしたものをですか」
「食べているでごわすが」
「何と質素な」
外交官のアンドレさん(モブです)はそう聞いて大いに驚いた。
「それが太平洋の指導者のお食事とは」
「質素でごわすか」
「はい、驚くべきまでに」
実はアンドレさんは西郷、太平洋経済圏の最高指導者と呼ぶべき彼が普段どんな馳走を食べているかと興味を持ち彼に普段食べているもので会食をしたいと申し出たのだ、そして今これ以上はないまでに驚いているのだ。
「日本国民はこの様なものは」
「食べていないというでごわすな」
「太平洋の何処にも」
「いや、違うでごわす」
西郷はアンドレさんに強い言葉で返した。
「まだ太平洋には不幸にも餓えている人がいるでごわす」
「だからですか」
「おいどんは贅沢をしてはならないでごわす」
「太平洋に餓えがある限りは」
「そして人の上に立つならばでごわす」
それなら、というのだ。
「贅沢はしてはならないでごわす」
「だからですか」
「そうでごわす」
こうした考え故にというのだ。
「おいどんは常にこうでごわす」
「お昼は稗の入った御飯ですか」
「そうでありもっそ」
しかも米は玄米だ、白米ですらない。
「ただ、夜は贅沢をしてもっそ」
「その贅
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