第七話 安東中佐!相撲ごっつあんです!!その七
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そのだ、稀代の政治家にして悪人であったタレーランやフーシェ以上にというのだ。悪田部は自分で言った。
「既にな」
「何か凄いことは凄いですけれど」
「いい意味の凄いじゃないですよ」
「悪人として凄いって」
「私にとっては褒め言葉だがな」
つまり悪人、極悪人にとってはというのだ。
「私は若き日彼等に憧れていた」
「タレーランとフーシェにですか」
「ランペルールでも全然信用出来なかったんですが」
光栄のシュミレーションゲームである、この二人はこのゲームにも池田理代子先生のエウレカにも出て来るがやはり性格は同じだ。
「忠誠度全然ないですから」
「なまじ能力があっただけに怖かったですよ」
「信長の野望で言えば松永久秀でしたからね」
「三国志で言えば能力が政治の方にいった呂布」
そういった者達だったというのだ。
「そりゃナピレオンも寝首かかれますよ」
「幾ら英雄でも怪物二人相手じゃ」
「何ていうか凄い組み合わせですけれどね」
「三人セットになると目眩がします」
尚タレーランはナポレオンこそが最も危険な謀略家だったと言っていた。ただしそのナポレオンを陥れた人物の言葉である。
「それでそのタレーランとフーシェがですか」
「悪田部さんの憧れだったんですね」
「そうだ、私は何時かだ」
それこそ、というのだ。
「彼等を超える政治家になりたかった」
「それで、ですね」
「表の政治力も裏の政治力も磨いていったんですね」
「そして遂に」
「二人を超えたんですね」
「そうだ、その私が目指すものは首相だ」
この日本の、というのだ。
「そして日本を太平洋の盟主として磐石のものとしその太平洋も繁栄させよう」
「目的は日帝衆と同じなんですね」
「結局のところは」
「悪田部さんの政策って社会的弱者のことも考えてますし」
「バランス取れてますよね」
実は悪田部は政策自体はまともだ、教育や福祉も的確かつ合理的に見ていてその制作を出している。厚生労働大臣や文部科学大臣としても辣腕を振るってきている。
そしてだ、国防大臣である今もだ。バランスの取れた政策により自衛隊をこれまで以上に機能的かつ強力な組織にしていて隊内のいじめや乱れた行動も取り締まらせている。
しかしだ、政治家としての行動はというと。
「謀略と賄賂三昧ですけれど」
「悪の限りを尽くしてますからね」
「人間としても、ですか」
「タレーランやフーシェに憧れていたんですか」
「悪には魅力がある」
こうも言った悪田部だった。
「だから私は悪、正真正銘の悪を目指しだ」
「なられたんですね」
「立派な極悪人に」
「大きな悪になりさらに大きな悪になるのだ」
まさに悪人の鑑である。
「その私から見ればな」
「暴力教師とかいじめっ
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