第1部 ゼロの使い魔
第8章 土くれのフーケ
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てどうするの!器用ね!」
ルイズは憮然とした。
「あなたって、どんな魔法を使っても爆発させるんだから!あっはっは!」
ルイズは悔しそうに拳を握り締める。
「さて、私の番ね……」
キュルケはルイズと同じように『ファイアーボール』の呪文を詠唱する。
杖の先から火の玉が出て、ルイズを襲う…はずだった。
しかし、ルイズの前にウルキオラが響転を使って現れた。
一瞬で移動したウルキオラに、3人は驚いている。
ウルキオラは片手を振るって『ファイアーボール』をかき消した。
「お前の負けだ。ルイズ」
ルイズはしょぼんとして座り込み、地面の草をむしり始めた。
フーケは、中庭の植え込みから一部始終を見守っていた。
ルイズの魔法で、宝物庫の辺りの壁にヒビが入ったのを見届ける。
いったい、あの魔法はなんなのだろう?
唱えた呪文は『ファイアーボール』なのに、杖の先から火球は飛ばなかった。
代わりに、壁が爆発した。
あんな風にモノが爆発する呪文なんて見たことがない。
フーケは頭を振った。
それより、このチャンスを逃してはならない。
フーケは、呪文を詠唱し始めた。
長い詠唱である。
詠唱が完成すると、地面に向けて杖を振る。
フーケは薄く笑った。
音を立て、地面が盛り上がる。
土くれのフーケが、その本領を発揮したのだ。
「残念ね!ヴァリエール!」
勝ち誇ったキュルケは、大声で笑った。
ルイズは勝負に負けたのが悔しいのか、膝をついたまましょぼんと肩を落としている。
そのときである。
背後に巨大な何かの気配を感じて、キュルケは振り返った。
我が目を疑う。
「な、なにこれ!」
キュルケは口を大きくあけた。
巨大な土ゴーレムがこちらに歩いてくる。
「きゃあああああああ!」
キュルケは悲鳴をあげて逃げ出した。
(隠れている奴がいるのはわかっていたが、なぜこのタイミングで出てくる?)
ゴーレムの肩に乗っている人間を見て言った。
壁を攻撃し、穴を開けた。
(放っておくわけにもいかんか…)
ゴーレムに人差し指を向ける。
「虚閃」
虚閃はゴーレムを捉え、股から上を吹き飛ばした。
虚閃の威力を改めて見たルイズたちは呆然としている。
ゴーレムの肩に乗って居た人間は穴の中に入ったようだ。
ウルキオラは響転を使い、キュルケとルイズを回収する。
そして、タバサのウィンドドラゴンに向けて2人を投げ飛ばした。
そうこうしているうちに、ゴーレムが再生していた。
再び黒ローブのメイジを肩に乗せ、ゴーレムは歩き出した
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