第百八十三話 和議が終わりその四
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「よいな」
「その全ての戦にですな」
「勝つのですな」
「北条まで倒してじゃ」
関東のこの家もというのだ。
「そして関東も手中に収める」
「その北条ですが」
丹羽が北条について信長に答える。
「やはり武田、上杉と結び」
「そうしてじゃな」
「当家と対立するつもりです」
「やはり武田、上杉、北条の三国同盟じゃな」
「そのうえで当家と戦う様です」
「そうじゃな、ではな」
それならとだ、信長は丹羽のその話を受けてあらためて言った。
「北条もじゃ、やはりな」
「降して、ですか」
「東国も」
「治める」
そうするというのだ。
「勝ちな」
「では」
「小田原も」
「必ず陥とす」
北条家の本城であり天下一の城とさえ言われているその城もだというのだ。
「ではよいな」
「東に向かった時は」
「小田原城までも」
「そうする、ではな」
ここまで話してだ、そしてだった。
信長は和議が間も無く切れようとするその中でも戦の用意を進めさせていた、それは信長自身もだった。
具足を用意させ鍛錬も続けていた、そして。
その信長を見てだ、帰蝶は弓を射る彼にこう言った。
「ご精が出ますね」
「うむ、間も無く戦じゃからな」
それだけにとだ、信長はひとまず弓を止めて帰蝶に微笑んで答えた。
「こうして鍛えておる」
「そうですね、それでは」
「留守を頼む」
自分がいない間の安土城をというのだ。
「爺もおるからな」
「平手殿はこのお城からですね」
「色々と手筈を整えてくれる」
「それもまた戦ですね」
「その通りじゃ、爺にも任せた」
それでだというのだ。
「この度の戦も必ず勝つからな」
「では安土に戻られた時には」
「宴の用意をしておれ」
こう帰蝶に言うのだった。
「よいな」
「はい、ではその用意を」
「頼んだぞ」
「大きな宴になりますね」
「この前の宴も大きなものじゃったがな」
「その時の宴はですね」
「倍は凄い宴になる」
それ位までになるというのだ。
「しかし前とは違う宴にしたい」
「と、いいますと」
「この前は酒だったが茶じゃ」
それの宴をするというのだ。
「茶の宴をする」
「お茶のですか」
「そうじゃ、天下の茶の宴じゃ」
するのはそれだというのだ。
「天下泰平のはじまりとするな」
「ではその用意を」
「茶と菓子をふんだんに用意しておれ」
「茶器もですね」
「無論じゃ」
天下の茶器、それを全て出すというのだ。
「わしが持っているよき茶器も全て出す」
「そうして茶の宴を」
「うむ、開く」
そうするとだ、こう帰蝶に言ってだった。
信長はこの日も鍛錬を続けた、彼自身もまた戦の用意をしていた。そうして遂にだった。
遂に和
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