第四話
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何とか言葉を絞り出した美由紀だったが、恭也に否定された。
「なんて言って警察に行くんだ?『僕がトラックに轢かれた被害者です』とでも言うのか?今の葵君は、怪我一つしてないんだぞ。子供のお遊びだと思われるのがオチだな。」
「あ、そっか・・・。」
葵がその言葉に頷いて、更に言葉を繋げた。
「それに、信じられても困りますね。俺のこの力がバレれば、速攻で研究所送りじゃないですか?現代科学では説明不可能なことばかりですから。色々試してみたんですけど、まず身体能力が桁違いです。100メートルは2秒くらいで走れますし、軽くジャンプすれば、電柱の上にも乗れました。」
「・・・なる程。確かにその力がバレれば、違法なことをしてでも君を手に入れようとするだろうな。君自身は強いだろうが、人質を取るなど、やり方は色々ある。」
葵の言葉を信じることにしたようで、士郎は溜息を吐いた。もしかすれば、そういうことをしそうな組織を知っているのかも知れない。
「それだけじゃないです。特殊な能力も手に入れました。」
自分の手札を晒しすぎているような気もしたが、これからの事を考えれば、ここで出し惜しみするべきではない、と彼は考えた。
「特殊能力・・・。どういうものかな?教えてもらえるかい?」
「突発的な未来視と・・・エネルギー操作です。」
この未来視とは、原作知識のことである。これを今言っておくことにより、葵がこれからの展開を知っていてもおかしくは無くなった筈だ。原作知識というのは大きなアドバンテージになる。それを使うのを制限していては、これから先生き残れるか怪しい。
なので、彼が持っている本当の能力はエネルギー操作だけである。これは、原作のメインヒロインである、一条雫の持っていた能力と同じものだった。しかし、彼は雫のように接続者では無かったようで、素手の状態でも能力を発動出来る。
(しかし、雫と同じ能力なのは助かった。どういうことが出来るのかが既に分かってるのが大きい。能力の研鑽に務める時間はあまりないからな。即戦力になれそうだ)
空間へのエネルギー残留、それを利用した擬似空戦、更に、敵の攻撃のエネルギーを反射も出来る。そして、一番大きいのが、ありとあらゆるエネルギーを遮断する究極の檻『アカシャの匣』だ。今はまだ使えないが、これから進化の階段を昇ればいつかは使えるようになるはずである。原作のラスボスであるシャノン・ワードワーズですらほぼ完全に封じ込めていたので、リリカル世界の住人には恐らくどうしようもないだろう。
「寝ようと思ったら、なのはが化物に襲われる幻影を見まして。ただ、近所の人に見られると厄介なので、フードとお面をつけて行ったんですよ。
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