第四話
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・?確かに、前世の記憶とかも持ってるから普通とは違うけどさ・・・)
パッチは、装着者の意識や才覚によって、色が変わる。その中でも『クリアパッチ』は、『端末種』と呼ばれる惑星の守護者に装着することで、人間ではないと認識された結果透明になっている。
もし、このパッチが原作と設定を同じにしているなら、葵はパッチから、『お前は人間ではない』と突きつけられたようなものであった。
(ま、気にしないけどさ。一条雫だって、自分が端末種だと知っても変わらなかったし。・・・俺は、俺だ)
そう自分に言い聞かせるように心中で呟く葵。
「これは・・・昨日までは無かったよね・・・?」
恐る恐るという感じで、なのはが問いかける。葵はその言葉に頷き、言葉を続けた。
「昨日、この翠屋から帰る途中で、トラックに轢かれました。」
『・・・!?』
タハハ・・・と苦笑しながら答えた葵。その内容に、一同は言葉を失った。
「死ぬかと思ったんですけど・・・直前に拾ったこの宝石が光ると同時に、俺の怪我は全て治っていました。しかも、超人みたいな身体能力と特殊能力のオマケ付きです。」
「ちょっと待って!」
今まで黙っていた美由紀が、言葉を遮った。流石に、知り合いが事故にあったと言われて黙ってはいられなかったのだろう。しかも、トラックに轢かれた怪我が治るなど、いくらなんでも信じきれない。
「思ったよりも怪我が軽かっただけじゃないの?よくあるじゃない、車に轢かれたけど、かすり傷だけで助かるとか。」
その言葉に、葵は深く苦笑する。
「今朝のニュース見てませんか?この近くの人通りの無い道で、事故の痕跡が見つかったって。」
「え・・・?」
数秒考え込む高町家一同だったが・・・
「・・・やってた!やってたわよ士郎さん!明らかに致死量の血痕が残ってるのに、死体が残ってないって!『警察は、犯人が死体を持ち去ったと考え捜査している』って言ってたわ!」
桃子が叫ぶ。この平和な街で起きた事故だけに、余計に記憶に残っていたのだろう。その被害者がここにいるなど、一体誰が考えただろうか。
「俺を轢いたトラックは、一目散に逃げて行きましたよ。俺はその後数分で動けるようになったんで、騒ぎが大きくなる前に逃げ出したんですけど。その時には、既にこの宝石が手に付いてましたね。家に帰ってから気がつきましたよ。血まみれでボロボロの服とかは、全部クローゼットに突っ込んだままなんですけど・・・あの格好で帰って、よく誰にも見られなかったですよね・・・。」
アハハと笑う葵だが、事が大きすぎて誰も声がでない。
「け、警察に届け出たりはしないの・・・?」
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