憎悪との対峙
34 最悪の共闘
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「「!?うわぁぁぁ!!!」」
「!?ぎゃぁぁぁ!!!」
次の一瞬で目の前が真っ暗になり、目の前で起こった事が信じられなかった。
何かが飛んできた。
巨大な鉄の塊、それが地面と平行に吹っ飛んできて、言葉にすらならない悲鳴と共に自分たちを押し潰したのだ。
しかしそれを横から見ていたシドウの目にはハッキリとその正体が見えていた。
「うっそ...」
ジャミンガーたちを押し潰したもの、それは体育倉庫を閉ざしていた巨大な扉だった。
重さは数トンあるでろう鉄の塊が何かの力でまるでパチンコ球のように弾き出されたのだ。
正直、目を疑った。
長い人生の中でもこんな光景を見ることは、残りの人生で1回でもあれば奇跡だろう。
今日一日、いやこの数時間で非日常な事が大量に起こっていたが、これが一番目に焼き付いた。
そしてその現象の答えは、聞き慣れない音と共にすぐに倉庫から飛び出した。
「!?...」
倉庫から白い弾丸のようなものが飛び出した。
白いフレームに印象的な青いライン、睨みつけるような眼光を思わせる双眼ヘッドライト、尖った耳のような銀色のバックミラー。
それはバイクだった。
形はいわゆるリッタースポーツ、前傾姿勢で走ることに特化した構造になっており、後ろにはArai・SZ-Ram4のカレンブルーカラーをかぶったメリーが乗っている。
様々な改良が施され、常軌を逸した構成となったHONDA・CBR1000RR、またの名を『スター・イリュージョン』。
普通のバイクとは比べ物にはならない。
それは発進からまだ数十メートルしか走っていない状態を見ただけで分かる。
「何だ!?」
残ったジャミンガーたちも猛スピードで迫ってくる物体に思わず足を止め、恐怖した。
あんなスピードで走っているバイクに撥ねられでもしたら、いくらジャミンガーという常人を超えた存在であっても命は無い。
しかしそれを逃げる隙は無かった。
スターダストが左ハンドルの青いボタンを押したからだ。
「「!?ぐわぁぁぁ!!!!」」
スター・イリュージョンの前輪をホイールに備えられた銃口のようなパーツが火を吹いた。
バチバチと聞くだけで痺れそうな音と共に射出された強力なプラズマ弾がグラウンドに残っていた戦闘可能なジャミンガーを一度に全員吹き飛ばした。
それによって小規模の爆発のようなものが中央のサッカーコートで起こり、地面が抉られ、どれだけ強力な兵器なのかが刻まれる。
「だからそんな便利なもんがあるなら最初から出せよ...」
しかしシドウの口からは愚痴が零れた。
「よし...」
イリュージョンは陸上競技の100メートルレーンに入る。
するとスターダストは僅かにスロットルを戻して回転を殺し、クラッチを握るとシフ
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