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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
34 最悪の共闘
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抱えてグラウンドの体育倉庫への中に入った。
生徒たちが賢かったことが幸いした。
流れ弾を防ぐために倉庫の裏に逃げ隠れていた。

「倉庫に入ったぞ!!」
「袋のネズミだ!!倉庫ごと蜂の巣にしちまえ!!!」

スターダストとアシッド・エースが倒していたジャミンガーが少しずつ、ダメージからの痛みが引き始め立ち上がる。
全て予想通り、肉弾戦で戦闘不能にする事は不可能ではないが、数が多く同時に相手にするとなれば戦闘不能に出来る割合は減少する。
必要なのは一気にカタをつけられる切り札、そしてそれを使っても生徒たちには危害が出ないように逃げ隠れる時間だった。
幸いなことにこの体育倉庫はかなり頑丈な作りとなっていて盾としての役割を果たす。

「撃てぇ!!撃て撃て!!撃ち殺せぇぇ!!!」

ジャミンガーたちは膝をつくシドウには目もくれず倉庫の方にダッシュし、そのままマシンガンを倉庫に向かって連射する。
つい数日前まで陸上部やサッカー部が使っていたはずのグラウンドは既に紛争地帯へと早変わりしていた。
生徒たちも悲鳴を上げるが掻き消される程に激しい音でその場にいた全員は耳がおかしくなりそうだった。
やがて銃撃は弾切れと共に収まっていき、ジャミンガーたちはそれぞれリロードの手順を踏み、更なる乱射に備える。
倉庫がいくら頑丈とは言っても、相当な数の風穴が空いている。
先程まで苦戦させてくれたスターダストといっても生きているはずがない、生徒を含めた誰もがそう思った。

「ハッ!いくらロックマンでもこれなら...」

“勝った”という感触がじわじわと安心感を沸き上がらせる。
しかし反面、不安も湧き上がっていた。

先程まであれ程までに狡猾で無駄のない戦いを見せたスターダストが蜂の巣になる可能性の高い倉庫に隠れたのか?

少なくとも先程までの完璧さを考えると、コレばかりは無意味でリスキーな行為だった。
何か意図があったのではないかと不安になり始め、自然と緊張感で体がガチガチに凍りつく。
だがそれは的中していた。

「!?」

音が聞こえてきた。
それは乱射でキーンとしておかしくなりかけた耳でもハッキリと分かる何かの音。
まるで風を吸い込んで力に変えていっているようなモーター音、そして何か巨大な力を発揮したくてウズウズしている怪物の息吹のようだった。

「...何だよ、一体...」
「やべぇ...何の音だ!?」

ジャミンガーたちはリロードも忘れてその音の出処を必死に自分たちの銃撃で貫かれ、使い物にならなくなった耳で探す。
しかしその音の発信源は全員一致で蜂の巣となった倉庫だった。
思わずつばを飲み、何かが飛び出してくる恐怖で竦む。
だが次の瞬間、ジャミンガーたちの耳は全く別のタイプの巨大な音で貫かれた。
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