憎悪との対峙
34 最悪の共闘
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ているはずなのに、広い視点を忘れていない。
WAXAが介入した方が、確実に事件は進展する。
それに少し嬉しくもあった。
WAXAを信用していなくとも、必要性を理解しているのは確かだが、自分に手がかりを預けるとは少なくとも信用してくれているということだ。
握り潰したりすることはないと確信している。
WAXAを動かすためとはいえ、信用出来ない相手に重要な証拠を渡すわけがない。
スターダストはアシッド・エースから目を背け、バッグのチャックを閉めるとメリーを抱きかかえようとした。
1秒でも速く脱出してメリーに何らかの処置を施さなくてはならない。
だがそれを許さない者たちがいた。
「キャァ!!!」
「どうした!?」
生徒の1人が悲鳴を上げた。
そしてその返答を待たぬうちに激しい音が聞こえてくる。
「チッ...残念だが、アイツら片付けないとヒナもお前も逃げられないみたいだぜ?」
「ふざけやがって...」
音の正体は校舎の方から群れを成して向かってくるジャミンガーの軍勢の大群だった。
何処に潜んでいたのだろうと思ってしまう程の数だ。
30、40はいる。
ハートレスの話と違う。
ハートレスから得ていた情報では敵の数自体が40人から50人、今まで倒して戦闘不能にした数こそ30人から35人程、つまりここまで多くのValkyrieの戦闘員が残っているわけがない。
しかし人質の生徒たちやメリーがいる以上、スターダストの強すぎる武器は使用すれば危険が伴う。
軍事基地並みの兵器でかなりのダメージは与えられるだろう。
しかし中・遠距離の銃撃戦にでもなれば流れ弾が飛び交い、メリーやスズカなど動けないで芝生に横になっている状態の生徒が数人いる以上、火が燃え移ったりしたら、芝生や雑草が火を広げ彼らにも被害がある可能性は大きい。
スターダストは両肩から小型の翼型の柄のようなパーツを取り外し、ウイング・ブレードへと変形させる。
そしてアシッド・エースも同じくウイング・ブレードを装備し、スターダストの横に並んだ。
「二刀流?」
「こっちの方が両手を使う分、動きが読まれにくいし、攻撃のバリエーションが多い」
「何処で覚えた?」
「話すと長くなるし、今話していると時間じゃなく命が無くなる」
「それもそうだな...にしても、お前と共闘する日が来るとはな」
「こっちのセリフだよ。ある程度、数を減らせば隠し球が出せる。それまでくたばるなよ」
「隠し球があるなら隠さずに出せよ...行くぞ!!!」
アシッド・エースはため息をつくと、先陣を切った。
そして感覚を開けず、スターダストも地面を強く蹴り続く。
「「ハァァァァ!!!!」」
2人は走りながら向かってくる敵を威嚇するかのように大声を上げる。
だが
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