暁 〜小説投稿サイト〜
流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
34 最悪の共闘
[1/10]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
スターダストはスズカを抱えてグラウンドの生徒たちが避難した場所へと小走りで向かう。
校舎から離れていく程に燃え上がる2階と3階から伝わってくる熱が冷めていくのをスーツ越しに感じた。
だがそれと同時に体の所々に痛みが湧き上がり始め、呼吸がしづらくなっていた。

「?フゥ...」

「スズカちゃん!!」
「無事!?怪我は!?」

生徒たちは先程の銃撃で負傷したスズカに駆け寄ってくる。
だがスズカは既に助かった安堵で自分が怪我をしていることを忘れてしまったかのように喜びを露わにしていた。
スターダストはゆっくりと芝生に寝かせる。

「ありがとう...」
「礼はいい。まだ終わってない」

スターダストは一呼吸置いて再び集中力を戻していく。
そしてメリーを介抱していたアシッド・エースに近づいた。

「どうだ?」
「動悸が激しい。それに顔色が悪いし、息が荒いし、時々痙攣を起こしてる」
「マズイな...ヒナ...ヒナ!」
「うっ...ハァ...ハァ...」

スターダストは限界に迫るメリーの頬から首筋の辺りに触れる。
今まで見たことのないくらいに汗が流れ出し、必死に何かに耐えているかのように顔を歪ませた。
恐らく自分の負の感情を必死に押さえ込んでいるのだろう。
ダークチップを使われてしまったということは、誰もが抱えている心の中の醜い部分に支配され、悪に染まってしまうことに他ならない。
ネットナビなら一時の快感と能力の強化に囚われ、ダークチップが無ければ形作るデータが断片化に歯止めがかからず、ダークチップを使い続けなければ存在を保てない、そんな命令がメモリに書き込まれてしまう。
まさにネットナビにおける麻薬と呼ぶに相応しい。
最終的には、使い続けデータの劣化が進行し、自己崩壊する。
それはデリート、データの消失、存在が消えてしまうことを意味する。
現実空間ならば死んでも死体が残るが、データの世界では一瞬だ。
跡形も無く文字通り消滅する。

「急がないと...」

スターダストはメリーに背負わせて運ばせたバッグの中を確認した。
ノートPCもハードディスクも全て無傷、何も無くなっているものが無いのを確認するとバッグの中からLumiaを取り出してアシッド・エースの方に投げた。

「生徒たちを頼む」
「分かった。これは?」
「地下にいた幹部の持っていた端末だ。お前たちの指揮官が警察びいきな以上、スパイ組織のお前たちが地下に入れるとは思えない。隠れて入れたとしても、得られる情報は少ないはずだ」
「...助かる」
「別に助けるわけじゃない。WAXAが動いてくれないと困るんだ」

アシッド・エースはLumiaをキャッチすると、スターダスト=彩斗の頭の回転の速さに驚く。
メリーを助けるために焦っ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ