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机に叱られて
第二章

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第二章

「いいわね、それで」
「ええ」
 とりあえず机の言葉に頷いたのだった。
「それじゃあ」
「話はわかってるわ」
 机は再度莉奈に声をかけてきた。
「新山君が好きなんでしょ」
「わかってたの」
「わかってない筈ないでしょ」
 机は彼女に言った。
「だって私はあんたの机よ」
「私の机」
「そうよ、いつもあんたと一緒じゃない」
 このことを強く言ってきた。
「あんたとね。だったら」
「わかるのも」
「当然よ。だからね」
「ええ」
「相談に乗ってあげるわ」
 こう申し出てきたのであった。
「相談にね」
「相談って」
「だから。好きなだけで終わっていいの?」
 彼女に問うてきた。
「それだけで。満足なの?」
「それだけって」
「だから。それでもよ」
 また言う机だった。
「あんたそれで満足じゃないでしょ」
「それを言われたら否定できない莉奈だった。
「やっぱり」
「まあそれはね」
 言われるとその通りである。それで小さくなって応えるのだった。
「できたら私も」
「告白したいのね」
「そうだけれど」
「それによ」
 机の言葉は続く。
「告白した後は」
「それはもう」
「付き合いたいわよね」
「やっぱりね」
 それは否定できなかった。彼女だからこそだ。
「絶対に」
「よし、わかったわ」 
 そこまで聞いて強く納得した声を出した机だった。
「じゃあそうさせてあげるわ」
「そうさせてって」
「あんた水泳部のマネージャーになりなさい」
 机はこう提案してきた。
「わかったわね」
「水泳部のって?」
「新山君水泳部でしょ」
「そうだけれど」
「じゃあそこのマネージャーになりなさい」
 こう言うのである。
「わかったわね」
「そこからなの」
「まずは近くに寄ることよ」
 それからだというのだ。
「近くにね」
「近くなの」
「わかったらすぐに動く」
 机は急かしてもきていた。
「いいわね、あんた丁度今部活入ってないし」
「それもわかってたの」
「わかってない筈ないでしょ」
 それもなのだった。
「だってずっと一緒なのによ」
「だからなの」
「わかったらすぐに動くのよ」
 また急かす言葉をかけるのだった。
「いいわね。わかったら」
「わかったら」
「マネージャーになりなさい。いいわね」
「わかったわ。じゃあ」
 こうして実際に水泳部のマネージャーになる彼女だった。すると自然に彼と会って話をする機会も増えたのであった。それはクラスでもだった。

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