紅霧異変
Part7 赤い霧
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周りから純白のナイフがばら撒かれた。
それは俺だけを狙うものではなく、部屋全てを埋め尽くすように広がっていく。
「や・・・べ・・・ッ!」
空中を浮遊している俺は、それを避ける事すらも出来なかった。
全身にナイフが叩きつけられる。
「あっ、ぐ!」
無理やり地面に叩きつけられるが、すぐに視線を動かして咲夜を捕捉しようとする。
だが次の瞬間、先程と同じ衝撃が肉体を襲った。
「ッが!?」
更なる痛みと共に、肉体が床にめり込んだ。
何が起きたのか、状況を確認しようと、目を薄っすらと開いた。
「!!!」
そこには、純白のナイフがすぐそばまで迫っている光景があった。
能力はーーー口に出す時間が無い。
ーーーーIN、咲夜ーーーー
これで終わり。ナイフは着弾した。
そして、弾幕はまだ沢山残っている。能力を使う余裕は無い。
流石に勝利を確信した。
その直後、
「ーーーーーーーー」
それは聞こえた。
高いのか低いのか分からない、男声か女声かも分からない、その声が。
ーーーーIN、有波ーーーー
「もはや俺が気絶するのは当たり前になりつつある気がする」
俺は気付けば、自室のベッドの上に寝転がっていた。
咲夜が運んでくれたのか?と少し感謝する。だが、気絶した原因が咲夜のため、少し感謝し切れない。
「あー、そういや全くコツ掴めなかったな〜」
明日にでも聞いてみるか?
そう思いながら部屋を見渡してみると、紙切れが一枚落ちているのが見えた。
拾って中を覗いてみる。
その紙切れは、あの十六夜咲夜からのものみたいだ。
内容は。
『貴方下手ね、避け方も駄目だし、その程度じゃ妖精辺りにもやられそう。まあ、頼れる能力はあるみたいだし、明日はお嬢様辺りに訪ねてみなさい。私はゴメンだけど・・・。それじゃあね』
そこで文は終わっていた。
一通り読み終えて、紙を近くに置く。
「んー、結構フルボッコに言われてるなぁ。下手って・・・。それに明日はレミリアか・・・咲夜より強いじゃねぇか」
冷や汗をかきながら独り言を呟く。
と、そこで気付いた。まだ続きがあったことを。
PS、と書かれてある。
その内容は。
『その機械、絶対に手放さないように』
その文は意味の分からないものだった。
いや、携帯を手放したら能力が使えなくなり、困るから手放さないが、なぜ咲夜がそう言うのだろうか?
咲夜がわざわざ忠告するようなものでは無い気がするが・・・。
「・・・ま、いっか」
恐らく咲夜は親切心で言ってくれたのだろう。
そう思って、ベッドに寝転がっ
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