番外編 十年バズーカ《前》の前編
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子…しかし男だ。
その男の娘は、私を発見すると、
怯えたように言った。
「ひぃぃ!?だれぇ!?」
その少年でもなく少女でもなく男の娘は、その小さな身体にちょうど合う黒いコートのパーカーで顔を隠す。
「あなた…狂夜…なの!?」
似ている。
私は、小さい頃の狂夜を知っている。
似ているというか…どう見てもあの頃の本人だ。
「ええっ!?え?あっ!…む…ゆかりさん!?」
その男の娘は、パーカーを少し上に上げて目だけ見えるようにして私を見た。
それは、確かに。
どう見ても狂夜だった。
「狂夜〜♪ちょっとゆかりんと…ベット…イこっ♪」
「ゆかりん、ベットやだぁ〜!!」
そう。
昔の狂夜は、自分の能力に怯え、人に怯え、ただのウサギにさえ怯えてカリスマガードをするほどの臆病だった。
なぜ18歳の彼と全く違うのか。
それは、紫でさえ覚えていない。
「う〜」
狂夜は、フードを深くかぶり顔を見せないようにして部屋の片隅でうずくまって唸った。
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