下忍編
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が、苦無が当たるよりも先に、違う方向から投げられた苦無に寄って弾かれる。
後で礼を言わなきゃなと、怒った顔をしているだろうサスケを思いながら、カトナはその少年の腕を掴む。細い腕…だが、チャクラで活性化された腕に握りしめられ、少年は悲鳴をあげた。
「黄昏」
小さくそう呟くと共に、カトナの腰に、ずどんと衝撃が走る。足を踏みしめてこらえた後、カトナは、少年を勢いよく蹴り飛ばす。ごろごろと、転がりながらもなんとか攻撃を避けようとした少年の腹部に、カトナは勢いよく鞘に入れたままの大太刀の切っ先を叩きつける。
「幻術、お粗末すぎる。自信あったみたい、だけど、いまいち。これで、中忍、なる気? もっと鍛える。それから、出直せ」
カトナはそう言いながら、さらに全体重をかけて踏み抜いた。悲鳴を上げて、のたうつ少年を冷めた目で見ながら、カトナは巻物を漁るサスケを横目で見る。その間にも、抵抗できないように、足に体重をかけるのを止めない。
しばらくごそごそと探っていたが、どうやらお目当てのものを見つけたらしく、サスケの手に、巻物が握られる。
「天。終わり」
「やったじゃない!」
カトナはハァとため息を吐いて、少年の体から足を離す。少年はどうやら痛みにたえれなかったらしく、呆気なく気絶したらしい。全く、本当に期待外れだとカトナは舌を打ちながら、声を大にして叫ぶ。もちろん、周りの忍には聞こえないように工夫した音量である。
「三人がかりの、幻術・狐狸心中の術…。術の制度はまだまだ。けど、骨があるかも、って、思ったのに!! ちょっと、楽しみにしてた…、のに」
「楽しみにしないでよ!?」
サクラのツッコミを受けて、むすりと頬を膨らませながら、天の巻物を抱えたカトナは、はぁ…とため息をついた。
彼女は意外と好戦的な性格をしていて、戦いを好んでいる…というか、彼女は不可能に挑むことが好きなのだ。
何の知識もない子供が、世界を平和にしようと挑むかのようなことを、彼女は好いている。
決してできない筈のことを成し遂げようと挑むことを愛しており、それが不可能だと言われれば言われるほどに、彼女は成し遂げようと燃え上がる。
彼女にとって、圧倒的な強者に挑むことは、絶対的に不可能なことであり、だからこそ燃え上がる。彼女の好戦的な性格は、それが原因ともいえる。
それは彼女が生きるための処世術でもある。
自分より強い相手に、何の策もなしに挑むことは愚かであり、反逆は死を訪れさせる。けれど彼女は刃向わなければいけないし、反逆せねばならない。自分より強い里人に氾濫し続けなければ、彼女は強者でなりえない。
だから、これもまた、運命であった。
ぴくりと、カトナが反応し、大太刀を瞬時に変換させて短刀にし、サスケの瞳
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