4部分:第四章
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第四章
「それでいいな」
「ではペルセポネー様を御呼びしましょう」
「すぐにここに」
「わかっている。それではだ」
「ですがハーデス様」
「一つ方法がありますが」
ここで二柱の神はだ。こう主神に囁いてきたのだった。
「それをされますか?」
「どうでしょうか」
「あれをか」
ハーデスは彼等の言葉を聞いて述べた。
「あれをするのか」
「そうです、あれをです」
「如何でしょうか」
「そうだな」
ハーデスはまずは一呼吸置いた。そのうえでまた言うのであった。
「どうしたものか」
「そうされないのですか?」
「それは」
「卑怯ではないのか」
腕を組み難しい顔での言葉だった。
「どうかと思うのだが」
「ですがこのままではペルセポネー様は帰られます」
「それはあってはならないことですが」
「いや、それはだ」
ハーデスはどうしても首を横に振ろうとはしない。とてもだった。
「やはりな」
「どうしてもですか」
「それは」
「私は止めておく」
彼は一応判断を下した。しかしそれでも彼等に対して言うのだった。
「だが。そなた達はそれで納得しないな」
「はい、申し訳ありませんが」
「やはり。我々としても」
「ならそうするといい」
二人のその考えは受け入れた。彼等も引かないと見たからだ。それであえて許してこう述べたのである。仕える者達の言葉を受けたのである。
「それではだ」
「はい、それでは」
「その様に」
二柱の神々はそれを受けて一礼して頷いた。こうして彼等はペルセポネーを返すことになった。すぐに冥界にデメテルが迎えに来た。
「本人が来るか」
「まさかとは思ったが」
ヒュプノスとタナトスはデメテルのその顔を見て難しい顔になった。当然ハーデスも一緒にいる。だが彼は暗い顔で何も言おうとはしない。
「まずいな、このままでは」
「あれはできないぞ」
「ペルセポネー」
困惑した顔の彼等とは正反対にデメテルの顔は喜びに満ちていた。誰よりも愛するその娘を見てだ。そのうえで笑顔になっているのである。
「よくぞここに」
「お母様、お元気でしたか」
「元気でいられる筈がありません」
それはすぐに否定する母神だった。
「貴女がいなくて。それでどうして」
「そうですか。それで」
「さあ、早く冥界に帰りましょう」
娘を今にも抱き締めかねない顔であった。
「今から」
「はい、それでは」
「さあ、今から」
また言うデメテルだった。
「地上に」
「お待ち下さい」
「暫し」
ヒュプノスとタナトスはお互いに顔を見合わせてそのうえで意を決した顔で頷き合ってからだ。そのうえで母娘に対して言ってきたのだ。
「お帰りになられる前に我等から贈りものです」
「これを」
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